MDが使う「算数」をショップ運営に役立てよう!《第3講》⑦(佐藤正臣)

2023/01/25 06:00 更新


(第1項)ショップを運営する上で知っておく利益とは?

3.売価・原価・値入・粗利益を理解する①

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前回は“粗利益”と“営業利益”について学びました。



はい。営業利益高を出来るだけ多く大きくするには、粗利益高をより多く獲得することが重要で、同じ売上の場合、粗利率が高いとより多くの粗利益高を獲得することができ、営業利益が黒字になりやすい!そんな感じのことを勉強しました!



その通りです、Tさん。ありがとうございます。

ということで、今回の講義から前回学んだ“粗利益”だけでなく“売価”“原価”“値入”について学んでいきます。私が行っているMDの講義でも、MDが身につけるべき数字の基礎として、重要な部分となります。

Dさんにとっては復習になりますね。



へい。頑張って復習いたします。



私も頑張ります。



これまでの講義でもお伝えしたように、店長は“営業利益”を出来るだけ大きくするために、“売上”だけでなく“粗利益”を意識してほしい!ということをお伝えしました。

ここからは、粗利益をより理解する為の基礎的な話になります。話が簡単かもしれませんが、これらのことを深く理解することで、ショップの売上・粗利向上に繋がる可能性があるので、真面目に受講して頂ければ幸いです。



よろしくお願い致しますm(__)m。



では、Dさんに復習の意味としてお尋ねします。“売価”とはどう意味を持つ言葉ですか?



へい。“売価”とは、アパレル小売業ではよく上代という言い方をされます。

元上代は元売価のことで、元売価はこの業界ではプロパーともよく言いますね。因みに、弊社は上代と言っていますね。ですよね?Tさん。



はい。その通りです。



次は“原価”の解説をお願い致します。



へい。“原価”とは、よく下代という言い方をされます。また小売業で言う原価は“製造原価”ではなく、“仕入原価”のことになります。



Dさん、ありがとうございます。

補足として、アパレル・ファッション小売業で、“オリジナル商品”を作っているところも多いのですが、その場合ですと、“製造原価”と“仕入原価”が同じという場合もあります。厳密に言うと製造原価と仕入原価が違う場合の方が多いですから、今回の講義では、単純に商品を仕入した原価、“仕入原価”として話を進めていきます。



承知いたしました(''◇'')ゞ。



では、Tさんに問題です。

バイヤー兼MDでもあるDさんが、元売価10,000円のバッグを仕入原価5,000円で1点仕入れました。この元売価10,000円から仕入原価5,000円を引いた5,000円のことを何と言いますか?

図にすると以下のようになります。


 


粗利益、、、ですか?



この商品はまだ売れていない在庫の状態です。ですから、この5,000円は粗利益ではなく値入と言います。


 


はい!わかりました。( ..)φメモメモ



この商品が元売価10,000円で売れたとします。すると以下の図のようになります。

 

値入高5,000円の部分が粗利益5,000円となり、仕入(在庫)原価5,000円の部分が、売上原価へと名称が変わります。

商品が売れて初めて値入の部分が粗利益となり、仕入(在庫)原価が売上原価へと名称が変わることを覚えておいてください。



はい!( ..)φメモメモ



また、(仕入れた商品が)セールしないで売れると、粗利益高(率)と値入高(率)が全く同じになることも覚えておいてください。

因みにTさん。上記の場合、粗利率は何%になりますか?



図をみると、粗利高が5,000円。売上が1万円になりますので、5千円(粗利高)÷10,000円(売上)=50%(粗利率)です!



正解です。

粗利率を導き出す計算式は、粗利高÷売上=粗利率となります。

更にTさん。上記の商品の仕入原価が仮に4,000円だった場合の値入率と、その商品がセールしないで売れた場合の粗利率は何%になりますか?



値入率は、仕入原価が4,000円なので値入高が6,000円。値入高6,000円÷元売価10,000円で値入率は60%。この商品はセールしないで売れたので、粗利率も60%になります。



ブラボー!正解です!

値入率が高い場合(原価率が低い場合と同じ)、より粗利益を獲得しやすくなります。これはこの後も出来てきますので、今は頭の片隅にでもいれておいてください。



承知足しました(''◇'')ゞ。( ..)φメモメモ



せんせ!今回も字数制限が来ました!



では、皆さん。次回もお楽しみに(@^^)/~~~

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佐藤正臣 95年(株)ノーリーズにアルバイトとして物流倉庫からスタートし、店頭勤務7年(レディース)。02年より(株)ノーリーズにおいてメンズ(フレディ&グロスター・ノーリーズメンズ)立上をMDとして担当。10年よりフリーランスとして活動開始。シャツメーカーの新ブランド開発の企画サポート。その他、新規ブランドの立上マーチャンダイジング計画など、様々なフィールドで活躍したのち、14年5月末、株式会社エムズ商品計画を設立。小売り企業へのMDアドバイスや専門学校での講義・また海外での講義等。現在、多方面で活躍中。www.msmd.jp



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