MDが使う「算数」をショップ運営に役立てよう!《第3講》⑥(佐藤正臣)

2023/01/11 06:00 更新


(第1項)ショップを運営する上で知っておく利益とは?

2.ショップにとって重要な利益とは?②

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前回の講義で、損益計算書の構造について学んできました。



私は出番がありませんでした。



Dさんは元々知っていることですから、(出番がないのは)仕方がありません。

私が前回学んだことを簡単に復唱します。

売上は、商品を販売する・またはサービスを提供することによって、得られる代金のこと。粗利益は、売上から商品を仕入れた原価を引いたもの。売上原価は、基本的には仕入原価のことです。そして、販売費及び一般管理費(以下販管費)は、事業を運営する上で生じる費用のことです。



(すごい!ちゃんと復習してきている)



最後に、営業利益は本業の儲けと言われる部分。計算式は粗利益ー販管費です!



ブラボー!その通りです。

ここまで損益計算書の構造を学んできましたが、店長であるTさんに是非とも覚えてほしい、そして注視してほしいのは、“粗利益”“営業利益”です!

営業利益が本業の儲けであり、大事だということは理解頂けたはずです。よくニュースで「○○社の今年の決算は黒字でした!赤字でした!」等ということを新聞やニュースで目にしますよね?



私、新聞もニュースも全然みていません、、



まあ、新聞を読んでいないことは置いておいて。

損益計算書でいうところの黒字の状態は粗利益高>販管費、赤字の状態は粗利益高<販管費となります。


前回の講義でTさんもお気づきになったように、売上でなく粗利益ー販管費が計算式となりますので、粗利益が販管費を上回れば「黒字」。事業を運営する費用が粗利益を上回れば「赤字」となります。



ということは、粗利益を多く獲得するか、販管費をより少なくすれば、多くの営業利益を獲得できるということですね。



はい、その通りです。販管費を調整するということも店長にとって必要なスキルではありますが、組織それぞれによって事情が違います。この販管費に関することは、事業部長であるDさんから学んでください。



へい。頑張りま~す。



話を戻しまして、Tさん以下の図をご覧ください。同じ売上でも粗利率が違うと、営業利益の結果がこんなに違うということを表しています。 

上記の図は、①②のケースともに売上1億円。販管費5000万円なのですが、①のケースは粗利率57%。②のケースは粗利率40%となっています。Tさん。この図を見て、何か気が付いた点はありますか?



①のケースの方が粗利率が高いので、営業利益が黒字になっています。②のケースでは粗利率が低いので、営業利益が赤字になっていますね。



はい、その通りです。

①のケースは粗利率57%ですから粗利高が5700万円。②のケースは粗利率40%で粗利高が4000万円です。販管費が5000万円ですから、①のケースが700万円の黒字。②のケースが1000万円赤字となるわけです。

因みに、①のケースでは粗利高が5700万円ですが、粗利率40%で粗利高5700万円を獲得するには、1億4250万円の売上が必要になります。この計算の仕方は、後日Tさんに教えますね。


 


承知いたしました。

それにしても、5700万円の粗利高を獲得するのに、粗利率が違うとこんなにも売上が違うとは。粗利率40%だと粗利率57%に比べて、4250万円も売上を多く売上を獲得しなければならないのですね。

これまで、ショップの売上を伸ばすことを目標に、売上ばかりを考えていましたので、粗利率にも注力するようにします。

ひとつ質問なのですが、ショップを運営するには、粗利率が高い方が得だということですね?



良い質問です。確かにTさんが言われるように粗利率が高い方が、何かと有利なのですが、粗利率が高い低いというのは、組織にそれぞれに事情も違いますし、粗利益そのものをもっと深く理解しなければなりません。

ということで次回からは、粗利益のことやその他関連することを深く学んでいきます。Dさんは、MD講義のときにこのことを詳しく勉強されていますので、同じことの繰り返しになるかもしれませんが、更にわかりやすくお伝えできるよう頑張ります。



私も復習頑張ります!ということで、今回も字数制限が来ましたので、



では、皆さん。次回もお楽しみに(@^^)/~~~



(Tさんに先に言われてしまった、、)

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佐藤正臣 95年(株)ノーリーズにアルバイトとして物流倉庫からスタートし、店頭勤務7年(レディース)。02年より(株)ノーリーズにおいてメンズ(フレディ&グロスター・ノーリーズメンズ)立上をMDとして担当。10年よりフリーランスとして活動開始。シャツメーカーの新ブランド開発の企画サポート。その他、新規ブランドの立上マーチャンダイジング計画など、様々なフィールドで活躍したのち、14年5月末、株式会社エムズ商品計画を設立。小売り企業へのMDアドバイスや専門学校での講義・また海外での講義等。現在、多方面で活躍中。www.msmd.jp



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