三越伊勢丹グループ 3D足型計測器のサービス導入1年 接客の可能性広がる

2020/10/14 06:30 更新


 三越伊勢丹グループが、3D足型計測器を使って足のサイズにあった靴を提供するサービス「ユアフィット365」で来店客とのコミュニケーションの幅を広げている。開始から1年を経て若い世代の利用が増え、SNSを通じたパーソナルな接客にもつながっている。

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 昨年8月末に伊勢丹新宿本店の婦人靴売り場でスタートした同サービスは三越日本橋本店、三越銀座店、名古屋三越栄店、新潟伊勢丹に導入、今年3月には伊勢丹メンズ館の紳士靴売り場に「ユアフィット365・イセタンメンズ」も開設。今夏には、計測人数は計1万人を超えた。

 当初は50代以上の利用が多かったが、伊勢丹新宿本店の婦人靴売り場では現状、30~40代の利用が60%近くを占める。計測した50%弱の人がパンプスを中心とした靴を購入している。それ以前は、自分に合ったサイズよりも大きめの靴を購入していた人が多かった。また、一人に1~2時間掛かっていた接客は、平均で1時間3分へと短縮化できた。

 サービス向上に向けて登録する木型の情報を改善した。当初はオリジナルの「エヌティー」をはじめ8ブラントで約1000種類だったが、現状は国内外の25ブランドで1000種類。顧客からはデザイナーブランドやパンプスに限らないバリエーションも求められ、必要なものをバランスよく登録する難しさがある。最近の計測で増えているのは、4Eなどの幅広の足型で、若い世代にも見られるという。

 来店し、計測後に専用アプリをダウンロードして自身のデータを登録した顧客には、6月下旬から、希望者を対象にLINEを通じた接客も行っている。「(購入後の)フィッティングの具合や足に悩みを持つ人にアドバイスし、来店が難しい方に自宅でも購入できるきっかけを作っていきたい」考えだ。伊勢丹新宿本店では婦人靴売り場の販売員約20人がLINEでの接客に応じており、利用者の登録は200件を超えているという。

店頭でユアフィット365を利用して接客した顧客と、LINEを通じた接客で信頼関係を深めている


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