《「攻め」加速するSC、三井不動産 商業施設本部長 若林瑞穂氏に聞く㊤》新規開業施設、軒並み好発進

2023/07/14 06:29 更新有料会員限定


若林瑞穂氏

 大手SCディベロッパーがコロナ下での事業環境変化も踏まえ、新たな攻めの戦略を加速させている。三井不動産は昨年から今年にかけて「リアルの来館価値向上」を目指した新施設を相次ぎ開業したほか、ECとリアルを連携したオムニチャネル戦略など新たなビジネスモデル作りを進めている。今年4月1日付で、常務執行役員商業施設本部長に就任した若林瑞穂氏(前執行役員商業施設本部副本部長)に同社SC事業の現状と今後の方針を聞いた。

(有井学)

エンタメ効果大きく

 ——SCの売り上げが回復している。

 当社でもコロナ禍の2年間は厳しかったが、昨年秋以降は売り上げがおおむね19年並みまでに回復した。昨年11月にららぽーと堺が開業して好調で、勢いづいた。当社施設全体として順調だった中で、ららぽーと立川立飛が相当戻った。シネコン(大型複合映画館)やエンターテインメント施設の効果が大きい。

 21年度はコロナ禍による消費者の外出抑制の影響などで、広域から集客してきた施設の売り上げが相対的に厳しかった。22年度はららぽーとTOKYO-BAY、ラゾーナ川崎プラザ、ららぽーと横浜、アーバンドックららぽーと豊洲など広域型の売り上げが特に良かった。改装効果で、ららぽーと海老名や平塚なども好調だ。

 コロナ禍でも好調が続いていた三井アウトレットパーク(MOP)木更津も昨年度はさらに伸び、19年度超え。過去最高売上高を更新した。

複合業態が絶好調

 ——ららぽーと堺を含む最近の開業施設の売り上げ状況は。

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