ミツフジはこのほど、リストバンド型ウェアラブルデバイス「ハモンバンド」を開発した。手首の脈波から深部体温を類推し、熱中症リスクを着用者に知らせる。4月下旬から企業向けに販売する。
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20年3月に産業医科大学、前田建設工業と開発した、心拍から深部体温を計算するアルゴリズムを応用した。
脈波は本体の裏面で光学技術を使い測定する。数値でなく、本体のLEDの色と振動でリスクを段階的に知らせる。本体を起動するだけで機能を完結できる。着用者のリスクが高くなったことを管理者に知らせる機能はないが、「ウェア型より気軽に着用してもらえる」と期待する。
機能を絞りセンサーなど搭載する部品を精査したことで、一般的なリストバンド型よりも軽く、従来のハモンのトランスミッターと比べても同程度か軽い。バンドはシリコーン製で、「汗や雨に強く、汚れを落としやすく、ちぎれにくい」という。企業ごとにバンドの色を変えるニーズが高いことを受け、別注対応を視野に入れている。
「ウェアラブル製品は、あらゆることができる製品より、まずはピンポイントの機能を持つ製品が求められる」(三寺歩社長)として、ハモンバンドでは既存ユーザーである作業者などの間で優先度やニーズの高い熱中症対策に絞った。価格は、「従来のハモンのサブスクリプションを超えることはない」とする。マスクを着用した状態での暑熱対策で、より重要性が高まると見て、消費者向けの販売も検討する。
同社は今後、眠気感知やストレス計測など各機能に特化した製品を開発するほか、22年に血圧や血糖値の測定技術の完成を目指す。