ウェアラブルIoT(モノのインターネット)製品メーカーのミツフジとソフトバンクは、高精度測位と生体情報を活用したウェアラブルソリューションの提供に向け、9月から協業を始めた。21年度の商用化を目指す。
ミツフジの衣服型ウェアラブル端末「ハモン」で取得した心拍や呼吸数などの生体情報や独自のアルゴリズムによる解析データと、ソフトバンクの高精度測位サービス「イチミル」を組み合わせる。現場作業員の労働環境と体調を同時に可視化できるソリューションを検討する。建設や鉄道、運輸、エネルギーといった業界での活用を想定する。
ミツフジの銀メッキ導電性繊維を使いイチミルにも対応した、生体情報と位置情報を取得できるウェアラブルデバイスと、専用ウェアを提供する。ほかに、取得した情報をクラウド上で解析し、着用者の遠隔モニタリングや緊急時通知などができる。
ミツフジの従来のウェアラブルソリューションでは、生体情報に基づいた着用者の体調変化や暑熱リスクを検知・可視化できる。今回の協業では、それに加え、着用者の位置を正確に把握することで、労働環境の可視化や危険エリアへの接近検知を実現できるという。
9月から、建設工事現場や測量現場でイチミルの検証機とミツフジのウェアラブルデバイスを別々に装着して、高精度な位置情報と生体情報を得る実証実験を行っている。
イチミルは、全国3300カ所以上に設置した独自基準点を活用して、RTK測位(固定局と移動局の二つの受信機間でリアルタイムに通信する測位の手法)を行うことで、誤差数㌢の測位が可能なサービス。ソフトバンクが19年11月から提供している。