経済産業省は11月12日、ITサービス導入や経営資源の有効活用などによる生産性向上、積極的な海外展開やインバウンド(訪日外国人)需要の取り込み、多様な人材活用や円滑な事業承継などで優れた中小事業者を対象とする「はばたく中小企業・小規模事業者300社」を選定した。
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商工団体や中小企業団体、政府系金融機関、ジェトロ(日本貿易振興機構)、在外大使館や経産省の各地域の経済産業局などから「生産性向上」「需要獲得」「担い手確保」の各分野で推薦された事業者の中から、外部有識者が審査し、選定した。
繊維・ファッション関連企業では生産性向上分野で、河田フェザー(三重県明和町、河田敏勝社長)、ナチュラルクリーン(千葉県君津市、山田幸雄社長)など、需要獲得分野で山口産業(東京都墨田区、山口明宏社長)、福井経編興業(福井市、高木義秀社長)、ナールスコーポレーション(京都市、川崎元士社長)など、担い手確保分野でアルデックス(愛知県豊橋市、山口達三社長)、ナカニ(堺市、中尾雄二社長)などが選ばれた。
同日には経産省内で授賞式が開かれ、アルデックスの山口社長ら受賞企業の代表者3人に梶山弘志経産相から感謝状と記念品が渡された。梶山経産相はあいさつで、「中小企業・小規模事業者がコロナ禍による難しい課題に立ち向かい、新たに挑戦する上で、受賞企業の事例を参考にしてほしい」などと語った。また、アルデックスの受賞理由について、「オーダーメイドの高級衣料の縫製において、若い人材の積極的な発掘・育成に取り組んでいる」とした。受賞企業の事例は中小企業庁のホームページで公開している。