《めてみみ》「デザインの松屋」

2025/09/30 06:24 更新NEW!


 松屋銀座本店は、開店100周年記念企画の一環として「包む」をテーマにした企画展「Tsu-tsu-mu展 世界をやさしく繋(つな)ぐデザインの作法」を開催している。主催は日本デザインコミッティー。単なるパッケージデザインや伝統的な包装技術の紹介だけでなく、自然物や日常の風景から現代のプロダクト、建築までデザインの可能性を探る。

 包むという概念に、ケアの視点を見いだし、デザインの方法論として多角的に捉え直す。七つのテーマを設定し、約90点に及ぶ作品や事例を紹介する。日本デザインコミッティーによる企画展は約6年ぶりで、1956年から断続的に開いてきた。

 今回は、メンバーでグラフィックデザイナーの色部義昭氏が中心となり、会場構成から書籍の編集までディレクションした。建築家の隈研吾氏のモバイル茶室「浮庵(ふあん)」の特別展も盛り込んだ。

 松屋とのつながりは、銀座本店7階にあるセレクトショップ「デザインコレクション」が象徴的だ。1955年にオープンしたショップで、商品を選定しているのは日本デザインコミッティーのメンバー。現在も2カ月に1度選定会を実施して商品を入れ替えており、機能的で美しいデザインの生活用品約700点が並ぶ。次の100年に向けて、「デザインの松屋」として独自のポジショニングの確立を目指す。



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