《めてみみ》平和の使者

2025/09/29 06:24 更新NEW!


 『ドラえもん』『ワンピース』「ちいかわ」「ポケモン」--アジアの町を訪れると日本発の新旧アニメやキャラクターが浸透しているのがよく分かる。日本語の「カワイイ」が海外でも定着しているように、ユルさやあどけなさを表現した日本のキャラは独特の魅力があるのかもしれない。

 日本発のIP(知的財産)キャラといえば74年に生まれたサンリオの「ハローキティ」だろう。世界的なデザイナーやラグジュアリーブランドとの協業など、ファッションにもなじみ深い。

 先週まで放送されたNHK連続テレビ小説『あんぱん』には、サンリオの創業者、辻信太郎氏をモデルにした八木が重要な役として登場し、話題となった。八木は戦地に2度赴いた設定になっているが、辻信太郎氏に徴兵経験はない。だが18歳の時に故郷の甲府で大空襲に遭い、死線をさまよった

 サンリオファンに向けて販売されている月刊『いちご新聞』には、「いちごの王さまからのメッセージ」と題した創業者のコラムが掲載されている。その25年8月号で自らの空襲体験をつづったうえで、「みんなが仲良くなるにはどうしたらいいだろう?」と考えた末、小さな贈り物をし合うことで仲良くなれないかとキャラを生み出した経緯を明かしている。国境を越えて愛される日本のキャラは、みんなを笑顔にする平和の使者だ。



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