アーバンリサーチの廃棄衣料リサイクルのプラットフォーム「コンポスト」が、日本発信のサステイナブルファッション認証制度「リ・クリエイション」を導入した。
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一般社団法人リ・クリエイションが運営する同認証制度は、サステイナブルな商品をより多くの生活者に届けるために、グローバルスタンダードかつ独自の基準を策定。審査、認証、表示を製品品番単位で、サステイナビリティーをレベル別に認証するもの。生産背景の透明性確保、環境負荷の低減、雇用倫理改善など、多岐にわたる課題の解決に貢献する。
アーバンリサーチは、同認証制度の基準評価委員会に参加しており「製品の品番ごとに認証が得られ、認証期間が永続的。1品番当たりの認証費用も低価で利用しやすいなどのメリットがある」(萩原直樹アーバンリサーチ執行役員)と言う。
コンポストはアーバンリサーチの店頭で回収した自社ブランドの古着や、店頭で破損した商品を分別し、リサイクルなど再利用した商品を販売している。コットン製品についてはリサイクルした原料の30%を活用したカットソートップを販売。メランジ調の無地をベースにオフホワイト、ピンクベージュ、グレーのカラー展開で、6サイズ揃える。アーバンリサーチは大阪・関西万博会場内の「セービングゾーン」エリアに出店し、コンポストの商品を販売して好調な売り上げとなっている。
今後はリ・クリエイションの認証対象品番の全製品にQRコードを付けて消費者に向けて販売する。「サプライチェーンの履歴管理を消費者レベルで確認できるようにする」考えだ。
リ・クリエイションの山下徹也専務理事は「認証を今年度中に30ブランド程度まで広げていきたい。国内外においてスタンダードな国際認証となることでサステイナブル市場の形成に貢献する」考えだ。
リ・クリエイションの認証領域は三つ。一つは、市場創出機会が失われているサステイナブル以前の領域から、国際的認証レベルまでを段階別に認証し、有害性との境目を定義して、生産背景の透明性を確保する。二つ目は、工場や企業単位ではなく、品番単位で認証を行うことで、生活者が消費する際に商品に対する理解を深め、より導入しやすい環境を創出する。三つ目は、大量生産を回避するための受注生産、リサイクルを前提とした商品設計や、長期利用を前提とした商品設計など、ビジネスの在り方を見直すことで、サステイナブルに遷移できる領域に基準を設ける。