1月3日までに百貨店の25年初売りが始まった。高島屋や大丸松坂屋百貨店、阪急阪神百貨店は元日に加えて2日を休業にした。「従業員の休日確保など働く環境を改善するとともに、販売体制の拡充で顧客への提供価値の向上につなげる」(高島屋)と、深刻化する人手不足に対応するのが狙いだ。
一方で、元日から営業したそごう横浜店は売り上げ、客数ともに増加し、開店前に約1万人(前年比20%増)が並んだ。「都内の百貨店が元日営業をしないことで、地元での買い物を楽しんでいた」という。2日が初売りだった伊勢丹新宿本店は新年を祝うコンテンツ、イベントで来店を促し、家族で楽しめるワークショップを開いた。
スタートしたクリアランスセールは様変わりしており、初売りの風物詩である「福袋やセールの集客力は年々、低下している」(都内百貨店)という。コロナ禍を経て、価格にかかわらず欲しい物を欲しい時に買う消費が定着した。セール期であってもプロパー販売を強化する動きが見られる。
セールは短期集中型になる見通しだ。取引先は生産や在庫をコントロールしながら、消化率を高める戦略に転換している。人気商品や定番品を長い期間をかけて売り切るという事例も増えた。適時・適品の供給を通じて川上から川下までの適正な利益を確保し、衣料品売り場の改革につなげている。