《めてみみ》アートの日常化

2022/03/15 06:24 更新


 大手百貨店で現代アートの売り上げが好調だ。数万円程度の作品から外商顧客を中心に1000万円を超えるものまで幅広く売れている。百貨店の美術品は巨匠の日本画や洋画など古典から近代の大作が主力だったが、ここ数年で現代アートに力が入ってきた。

 美術品の国内市場規模は2500億円を超え、販売チャネルとして百貨店は画商に続き2番目で、約2割のシェアだ。「特に現代アート市場は拡大しており、コレクターからの人気が高い。今後もこの傾向が続くことが予想されている」(大丸松坂屋百貨店)という。

 今までアートに縁遠かった若年層が現代アートを購入し始め、市場のすそ野が広がっている。高島屋はカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)と共同出資でアート販売会社を21年10月に立ち上げた。CCCの現代アート分野でのネットワークを生かして作家を発掘、作品を調達する。大丸松坂屋百貨店は22年1月にウェブメディア「アートヴィラ」を開設、情報発信を始めた。

 コロナ下で、アートに対する考え方が変化しつつある。資産形成として投資するだけでなく、心や生活を潤すものとして純粋に楽しむ傾向が強まっている。百貨店は誰でも気軽に立ち寄り、身近に感じられる拠点であり、人と人をつなぐ場を通して、アートの日常化に果たす役割が大きい。



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