26年春夏欧州メンズファッションウィークが終わり、今後の春夏の発表は展示会や単発のファッションショーに移る。
欧州で登場した最も象徴的なスタイルは、エレガンスの中に親密なムードを取り入れるものだ。肌着や下着、パジャマといったアイテムを日常着の中に取り入れて、あえてそれをアウターのように見せてしまうスタイルが注目される。ないものねだりのファッションにおいて、既存のエレガンスにどう新鮮さを吹き込むかがデザイナーには求められる。下着やパジャマはそういう発想から登場している。
春夏の他のトレンドも同じように、これまでにない発想がベースとなる。厳格なテーラーリングにスポーツの要素を取り入れるスタイルも、これまでとは少し変化している。それは、カマーバンドのフォーマルなスタイルとサイクリングパンツやマウンテンパーカが共存するもの。リゾートを思わせるリラックスしたムードを取り入れたスタイルは、シャツのように軽やかなテーラードスタイルだが、あくまでもエレガントに見える。
新しい発想で作られるトレンドを支えるのは、クラフトテクニックを生かした素材。ビンテージを思わせるジャカード、薄く上質なレザーのカットワークなどが目立った。国内デザイナーの今後の発表では、どんな魅力を感じられるだろうか。