デジタルやオンラインなどの活用で仕事は便利になっている。新聞の原稿執筆は、入社時は手書きで、その後にワープロからパソコンへと変わった。また、検索履歴による関連情報やSNSなどのフォロワー登録で、興味や関心のある情報が自然と目に入る。しかし、興味がある情報は次々に集まり深まっていくが、そうでないことはあまり集まってこない。便利なようだが、新しいビジネスモデルや消費者の多様性などへの対応はそれでいいのか。
「前年踏襲が通じなくなっている」「消費者の購買動向が変化している」など、ファッションでは従来の経験や知見が通用しないことも増えた。デザイナーたちは「街に出かけて雰囲気を感じることが参考になる」と話す。専門店が、接客などの参考にするために高級レストランや一流ホテルに宿泊するとも聞く。
〝離れ〟が叫ばれる活字やテレビは、眺めているうちに興味が無くても目に入り、新しいヒントになることもあるだろう。デジタルに頼った偏った情報ではなく、広い視野を持ったアナログ的な情報収集も重要になっていると感じる。
(伸)