ウクライナではロシアによる無差別攻撃の様相を呈してきた。多くの民間人が命を落とし、周辺国への避難民は数百万人に達すると予想される。こうした情報はテレビや新聞だけでなく、ウクライナの人々がSNSを通じて直接世界に訴え、今後も長く人々の記憶にも残る。
プーチン大統領らは核兵器使用まで言及し、第3次世界大戦の悪夢がよぎる。欧米や日本などがロシアやベラルーシへの経済制裁を行うが、効果を発揮するには時間がかかる。日本では一部の政治家が「抑止力」を口実に核兵器の保有や米軍との共有を主張し始めた。
世界の人々は怒り、悲しみ「自分に何ができるか」思い悩んでいる。欧米ではファッション業界団体も戦争反対の声明を発し、ブランド企業による寄付も広がっている。SNSや市民による街頭での訴えも大きな力になる。ロシアでさえ拘束の危険を冒して多数の人々が街頭に出る。そんな光景が世界に広がっていく。
3月2日、40年ぶりに開かれた国連の緊急特別会合では、ロシア軍の即時・無条件の撤退や核戦力の準備態勢強化を非難する決議に、構成国の193カ国中141カ国が支持した。これも世論の力に違いない。「武力には武力」ではなく、市民の世論と行動が世界を動かす。私たちも「ファッションは平和産業」の立場から声をあげ続けたい。