《めてみみ》課題解決の道

2022/03/02 06:24 更新


 年始から北京冬季五輪の閉幕まで、上海はとても静かだった。コロナ下で観光客が少ないのもあって本来のにぎやかさがなく、「景気は大丈夫か」と不安に感じるほどでもあった。しかし五輪が閉幕した週末から春節(中華圏の旧正月)で故郷に帰っていた中国人が上海に戻ってきたようで、高鉄の虹橋駅は2月最終週末は人でごった返した。中国はようやく3月から22年のスタートを切る雰囲気だ。

 アパレル販売も見聞きする範囲では動きが良くない。2月半ば段階で防寒アウターが店頭に残っている店も多かった。「来秋冬の仕入れに影響が出るか」と心配する声もある。

 こうした状況を俯瞰(ふかん)してだろう。中国の服装ネットメディアに「アパレル業界の出口はどこ?」と題した記事が掲載されていた。それによると、この10年間はECがアパレル企業にとっての収益の活路となり、トレンドの模倣・低価格品を大量販売できた。しかし、その集客効果や新鮮味、エンターテインメント性が減速した今は、改めて消費者を喜ばせる逸品を作り出そうという大変革が必要になっていると指摘していた。

 この課題の解決策は日本も全く同じだろう。22年以降は商品企画から生産体制、品質維持や販売マーケティング、実店舗での体験まで、消費者を喜ばせる一気通貫の企業・業界のあり様が大事になっている。



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