ハイペースが続いたSCの開発にやや〝一服感〟が出てきた。日本ショッピングセンター協会によると、今年1~6月に開業したSCは25施設で、前年同期の31施設を下回った。7~12月の開業予定も25前後で、年間でも昨年の54施設よりも少なくなりそうだ。依然高水準とも言えるが、年間55~65施設が開業した13~15年と比べると、明らかな減速だ。
1施設当たりの店舗面積も縮小傾向。1~6月に開業した施設で、店舗面積が3万平方メートルを超えたのは前年同期の9施設から6施設に減った。7~12月の開業予定では4施設しかない。5万平方メートル以上は皆無だ。
「大型SCは長い目で見れば開発の余地はあるが、適した場所があまりない」とある大手ディベロッパー。昨年末時点でSC総数は3211に達し、出せる場所も限られる。開業初年度から大きな成果を上げる施設もかつてに比べてかなり減った。「新規SCは売り上げが見込めないので出店しない」と言い切るアパレル企業もある。
あるディベロッパーの新規施設開発担当者は「上からは『他にない新しいものを作れ』と指示されるが、なかなかネタがない」と嘆く。市場拡大から潮目が変わり、ECとの競合も強まる中で、「消費者が望む施設とは何か」をディベロッパー、テナントが一体となって追求していかなければならない。