私の叔父が紳士洋服店を営んでいた関係で、成人式用に買ってもらったのが「ダーバン」。これが私の初めてのスーツであり、ダーバンとの出会いでした。大学を卒業後に大手アパレルに入社、その後、数社転職し、2020年に40年ぶりの再会を果たしました。コロナ禍でレナウンが倒産し、事業を引き受けることになったのです。私はスーツ業界については素人でしたが、再会にウキウキしていました。
百貨店メンズフロアを代表する紳士服ブランド。その一つであるダーバンを引き受けることになり、一番驚いたのは販売員や社内のスタッフの〝ダーバン愛〟です。これほど、自分たちの販売しているブランドにプライドと愛を持っている事業はないと思い、運営に対しての大きな自信につながりました。それ以上に驚いたのは、顧客の皆様が心配して売り場に来ていただけたことでした。スーツやその他の商品を製造していただいている協力メーカーの方々も同様に、思い入れや愛が強いと感じました。
今年でブランド誕生55周年を迎えました。私は出会ってから45年。再会して5年ですが、今まで以上にメーカー様から販売スタッフ、お客様にまでいたるダーバン愛のネットワークを継続していきたいと思います。
(レナウン社長 辰己貴義)
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「私のビジネス日記帳」はファッションビジネス業界を代表する経営者・著名人に執筆いただいているコラムです。