《めてみみ》西表島の森で

2017/05/12 04:00 更新


 大型連休を利用して、沖縄・西表島を訪れた。西表島を選んだのは手つかずの自然があるから。鬱蒼(うっそう)としたジャングルにマングローブの森、本土では見られない、多くの貴重な生き物に出会うことができる。

 子供が大きくなるにつれ、より体験型のアクティビティーに参加できるのもうれしい。カヌーを漕ぎ、干潟を散策して、カニやヤドカリを捕まえる。初めての経験に子供の顔つきが変わる。今、世の中の消費の仕方が体験型へとシフトしていると聞くが、それも当たり前だろう。

 マングローブの森や干潟を散策すると、多くの漂流物を見ることになる。その大半はプラスチック。無数のペットボトルだ。ガイドによると、冬にはボランティアの協力を得て漂流物を拾い集めるという。人間の便利な生活が、手付かずの自然を汚す現実を目の当たりにする。

 今、ファッション業界でもサステイナビリティー(持続可能性)への取り組みが広がっている。いち早く、取り組んだのはパタゴニアなどの自然環境を相手にしてきた会社。ケリンググループなどラグジュアリービジネスを手がける企業やH&Mなどのファストファッションも対応している。

 ファッション企業として、豊かな生活にどう貢献できるか。ファッションを通じての文化的な貢献はもちろんだが、社会的な貢献も求められている。



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