商品分析について考えてみよう(佐藤正臣)

2017/08/05 10:30 更新


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佐藤せんせの算数で極めるMDへの道 (20)

 大手セレクトショップでMD(マーチャンダイザー)を務めていたマサ佐藤。バリバリと仕事をしていたマサだがその実、30代後半になるまで数値管理にはまったく疎(うと)く、本格的に始めたのは大手チェーン店に契約社員として入社した38歳になってからという。

 そこで鍛えられてフリーランスになったマサは、夜ごと、ホームである三軒茶屋界わいで、悩めるバイヤーやMDに講義を行っている。自称・三茶大学の先生であるマサ佐藤の20余回にわたる講義を覗いてみた。


☆    ☆    ☆


では唐突ですが、Dさんに質問です。


へえ。(また、こいつ変なこと聞くんかな?)


月でも週でも、日でも構いませんが、商品の売上ランキング、別の言い方すると、商品単品別売上ベストセラーってありますか?


当然見てます。私の場合は月曜日に先週のランキング見ている感じですね~。月曜日は会社でミーティングありますし、色んなことを把握・報告しなければなりません。更に店頭にもデータ分析から見える、指示を出さなければなりませんので。


そうですよね~。当然見てますよね。それにしても、サラリーマン時代の私もそうでしたが、アパレル小売業の月曜日って、なんだか憂鬱な気分になりますよね_| ̄|○ そんなことはさて置き、Dさんの組織の売上ベストセラー的な資料って、どうなってます?またどこを見てます?


基本売上ですかね~。あと、少し多めに発注した商品は在庫数なんかも見てます。


なるほど。では、そのデータというか、帳票ってどうなってます?


うちのPOS(時点在庫管理システム)は売上は売上の情報で出ますし、在庫は在庫の情報出ます。そのような仕組みになってますんで…。


なるほど。そうでしたか。因みにDさんこの講義で学んだMD数値の基本って何でしたっけ? 簡単に言えば、OTB表を運用する上で必要な基礎的知識とは?


OTBのロジックを知る


あっ…何だっけ…??…(思い出した!!)。MD数値の基本は、


①売価・原価・値入・粗利益の理解すること

②OTB(open to buy)のロジックです。

→数式でいうと、期首在庫原価+(期間)仕入原価=期末在庫+(期間)売上原価この2つです。


はい。その通り!Dさんこのことでなんか気づきませんか?


えっ?この基本のことで、分析に関することに何か気づく…なんだろう…(考え中)………??(あっ!!)。まず、MDが基本として、売上だけでなく粗利益が大事だということ。だから売上分析だけでなく、粗利益もちゃんと見なければならない!あと、OTBのロジック。OTB表の仕組みは売上・粗利益・仕入・在庫が連動している。だから、売上・粗利益・(仕入)・在庫は連動してチェックしなければならない!! そういうことですよね?


はいそうです。その通り!商品分析も売上・粗利益・在庫はくっつけてみた方が色んな景色・物事が見えるということです。そもそも、健康診断書が、身長は身長。体重は体重。血液は血液。なんてバラバラの紙で出せされても、見るのがメンドクサクないですか?


そうですね~。


ではDさん。例えば、粗利益率から見える、商品または店頭の状態ってどんな感じなのかわかりますか?


粗利益率から見える商品の分析は…

・粗利益率が前週より低ければ、セールをして商品を売っている

・うちはセレクトショップなんで、買い付け(原価率が高い)の商品が売れている


そんなことが考えられます。


そうですね。またこのことを例えば、前週の売上数なんてものもくっつけてみると、こんな見方もできます。”前週の売上数が20枚だった商品の粗利益率が前週より10%下がった、すると当週は倍の40枚売れた”ーーこんな場合。そうするとMDはこのことから色んなことを読み取らねばなりません。例えば…


・粗利益率10%犠牲にすると(%オフで期中にセールをする)と売上数が倍になる→在庫消化時の参考データとして使える

・この商品の売価設定がそもそも間違い

・発注数量が多い


このような推理を巡らし、次シーズンの発注の場や期中の在庫コントロールに活かしていかなければなりませんし、そうしたデータから見えるものを推理できる能力があるMDが優秀なMDとも言えます。


なるほど。そうですね~。おっしゃる通りです。私の会社もそのような分析ができるように、本社に掛け合ってみます。


是非(笑)そうしてみてください。ただシステム変えなくても、Excel化さえできれば、売上・粗利益・在庫をくっつけることは可能ですよ。


えっ?それはどうやってするのですか?


それは、Excelの”V Look Up”って機能使えばいいんですけど、この連載の本筋とはズレますので、皆さんでお考え下さい(笑)。


ガクッ_| ̄|○ (こいつセコイな~)。


では、今回はこのくらいにして次回は最終回。分析の売上と在庫の関連性についてお話します。


えっ?もう次回最終回なんですね~(驚)。


では、皆さん次回もお楽しみに!!


さとう・まさふみ 95年(株)ノーリーズにアルバイトとして物流倉庫からスタートし、店頭勤務7年(レディース)。02年より(株)ノーリーズにおいてメンズ(フレディ&グロスター・ノーリーズメンズ)立ち上げをMDとして担当。10年よりフリーランスとして活動開始。シャツメーカーの新ブランド開発の企画サポート。その他、新規ブランドの立上マーチャンダイジング計画など、様々なフィールドで活躍したのち、14年5月末、株式会社エムズ商品計画を設立。小売り企業へのMDアドバイスや専門学校での講義・また海外での講義等。現在、多方面で活躍中。www.msmd.jp


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