佐藤せんせの算数で極めるMDへの道⑦
大手セレクトショップでMD(マーチャンダイザー)を務めていたマサ佐藤。バリバリと仕事をしていたマサだがその実、30代後半になるまで数値管理にはまったく疎(うと)く、本格的に始めたのは大手チェーン店に契約社員として入社した38歳になってからという。
そこで鍛えられてフリーランスになったマサは、夜ごと、ホームである三軒茶屋界わいで、悩めるバイヤーやMDに講義を行っている。自称・三茶大学の先生であるマサ佐藤の20余回にわたる講義を覗いてみた。
■ 前回のレポートはこちら→売価・原価・値入・粗利益の理解2
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今回からはOTBの計算のロジック(論理)を知る。ということを始めます。このことは前の講義でも触れましたが、もう一度おさらいします。OTB(open to buy)とは直訳すると、「買うために開ける。」文面のままとると、仕入するために枠をつくる、と言った意味です。実際は、「売上・粗利益・仕入・在庫」を連動してみる と言ったところでしょうか。
なるほど。前の講義でも言いましたが、私の会社では、売上・粗利益・仕入・在庫を連動してみる仕組みになってないので、OTBにはすごく興味があります。
いい心がけです(笑)。唐突ですがDさん、この問題わかりますか?
へい(げっ、また問題か)。
”3日間だけ、バッグ屋をopenしました。営業前に仕入れたバッグの数は100個。営業中に入荷してきたバッグが65個。3日間で売れたバッグの数は135個。3日間終了後のバッグの個数は何個あるでしょうか?”
(読者のみなさんもどうぞ)
こんなの簡単ですよ!(こいつ、私のことバカにしてんのか?)答えは。(営業前の個数)100個+(3日間で入荷した個数)35個-(3日間で売れた個数)135個なので、終了後のバッグの個数は30個です。
完璧ですね。素晴らしい。
Dさん。実をいうと、これがある意味OTBのロジックなんです。
え~。そうなんですか?それってどういうことなんですか?
では、先にOTBのロジックの計算式を説明しますと。こうです。
“期首在庫+(期間)仕入原価=(期間)売上原価+期末在庫”
こういうことなんですね。
すいません。いきなり何だかわからなくなりました。
では先程の問題で説明しますと、営業前のバッグの個数は100個。つまり機首在庫は100個。3日間で入荷したバッグが65個。つまり期間仕入個数が65個。3日間売れたバッグの数が135個。つまり期間売上個数が135個になります。これを先ほどの公式に当てはめるとーー
“期首在庫+(期間)仕入原価=(期間)売上原価+期末在庫”
100+65=135+?ということになり、?=(100+65)-135という計算をDさんがしたことになるんです。そうすると答えは30個ということになりますよね。
なんとなく意味がわかりましたが、まだ掴みきれてません。
では図で説明します。図にするとこういう形になります。要は機首在庫と仕入を足した個数と、売上と期末在庫を足した個数は同じになるということです。“期首+仕入=売上+期末”
なるほど。こうするとわかりやすいですね~。
今回はバッグに金額をつけてませんが、通常このOTBのロジックを使うには、原価方式で管理することがベターだと話ましたよね?
はい。うちの会社は原価方式になってませんが、売価方式だと売価変更するたびに、在庫等の計算がややこしくなりそうですもんね。
その通りです。では、先ほどのバッグを1個の原価200円だとして、図で表現するとこうなります。
(この人、ホンマに図好きやな~。)
こうなりますね。ではDさん。この図の仕入原価がいくらになるかわかりますか?
(読者のみなさんもどうぞ)
仕入原価?あれっ?数字変わってる?(落ち着け、落ち着け)機首+仕入=売上+期末だから・・・仕入原価の金額がわからないから・・・
!仕入原価=(売上原価+期末原価)-機首在庫ですね。
あってますよ(笑)
原価が200円でしょ、だから、
(27,000+6,000)-20,000で13,000。よって3日間で仕入れたバッグの仕入原価は13,000です。
正解で~~す。これがOTBのロジックです。
せんせ。でもこのOTBのロジックは、MDにどう活用するんですか?
いい質問です。そのことを次回以降で学んで行きます。
へい。わかりました。次回もよろしくお願いします。
95年(株)ノーリーズにアルバイトとして物流倉庫からスタートし、店頭勤務7年(レディース)。
02年より(株)ノーリーズにおいてメンズ(フレディ&グロスター・ノーリーズメンズ)立上をMDとして担当。
10年よりフリーランスとして活動開始。
シャツメーカーの新ブランド開発の企画サポート。
その他、新規ブランドの立上マーチャンダイジング計画など、
様々なフィールドで活躍したのち、14年5月末、株式会社エムズ商品計画を設立。
小売り企業へのMDアドバイスや専門学校での講義・また海外での講義等。
現在、多方面で活躍中
www.msmd.jp