ドイツの暗さがもたらす様々な悪影響(宮沢香奈)

2018/04/16 04:29 更新


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気付けば天気と健康の話ばかりするようになっていたが、それは年齢のせいだけでなく日本とは全く違うドイツの気候が大きく関係していると言える。

白夜のような夏は最高だし、湿度の少ないドイツの気候の方が自分の体質には合っていると思う部分もあるため、冬が暗くて寒かろうがあまり気にならなかったのだが移住してきて3回目の冬を迎えた昨年末、ついに自分には全く無縁だと思っていた通称ウィンターブルーと呼ばれる冬季うつの症状に陥ってしまった。しかも、それに気付いたのはごく最近のこと。


夏のベルリン。朝の4時頃から明るくなり、夜の10時まで明るい。

冬季うつとは、冬の日照時間が少ないことによって脳内のセロトニンが減り、気分が落ち込む、やる気が出ない、身体が怠い、重い状態に陥ることである。ありがたいことに移住してきてからずっと暖冬に恵まれていたため、長野県出身の私からしたら寒さは大したことない。

しかし、問題は寒さではなく、暗さなのである。ベルリンは10月末のサマータイムが終わったと同時に一気に日が短くなり、12月や1月は午後の4時には外が暗くなり、朝の8時を過ぎないと明るくならない。曇りや雨の日には一日中どんよりとした灰色に覆われるため、たとえうつ状態でなくてもどことなく気分が滅入ってしまうのだ。

しかも、昨年は冷夏だったため夏の暑さも満喫出来ておらず、それでいてとにかく仕事が忙しかった。その上最も大事なビザの更新という人生のビッグイベントがあり、それに関連する役所系の手続きも重なった。数ヶ月掛かり、全て無事に終えた頃にはサマータイムなどとっくに過ぎ去っており、安堵と共に暗闇のベルリンにすっぽり覆われてしまったのだ。


冬のベルリン。雨より曇りの日が多く、グレーの空が広がる。

毎日学校や仕事場へ通っている人は冬季うつにはなりにくいと聞くように忙しければ大丈夫と思っていたのだが、私の場合はフリーランスで自宅で仕事をしている上に日本時間に合わせて仕事をしたり、もともと不規則な生活を送っているため、午前中に一瞬だけ顔を見せる貴重な太陽さえも何度も見逃していた。

そうしているうちに体内時計も狂っていったのだと思う。取材や締め切りがあるためどうにかやる気を奮い立たせていたし、友人と飲みに行ったり、遊びに行ったりすれば気分転換になって気持ちが落ち込むことはそこまでなかった。

しかし、一番厄介なのは過食と過眠に陥ることである。”食べても食べても、寝ても寝ても、満足出来ない。” こう書いているだけでもゾッとするがストレスによる過食症と同じ症状である。しかも、何を食べてもおいしく感じ、常に熟睡出来てしまうから困りものである。これは冬季うつではないんじゃないか?と、思わず笑ってしまう現象であるが、セルフチェックで全て当てはまったのでおそらく間違いないだろう。


晴れの日の様子。晴れた方が寒くマイナスにいくことも。

何だか気が滅入る話になってしまったが、日本人の私たちだけでなくドイツ人であってもどこの国の人であっても同じ環境下にいれば掛かってしまう可能性のある季節性のものである。太陽を浴び、ビタミンDを補給し、適度に運動をすることによって改善され、予防にもなるためあまり深刻に考えない方がいいのだと思った。

ベルリンに移住してきたばかりの時、日焼けサロンの数が多いことに驚いたのだがこういった背景があるのだと納得。他にも、人工のライトボックスで光に当たる光療法があり、かなり効果的らしい。


アマゾンで見るだけでも目覚まし時計タイプから4万円以上する高額なものまで種類も豊富でいかに悩んでいる人が多いということだ。



今のところライトを買うまでには至らないが、太陽は人間にとって非常に大事なものであり、海外で好きなことをやりながら健康に暮らすためには自分の生活を改めて見直す必要があるのだと改めて実感した。



宮沢香奈 セレクトショップのプレス、ブランドのディレクションなどの経験を経て、04年よりインディペンデントなPR事業をスタートさせる。 国内外のブランドプレスとクラブイベントや大型フェス、レーベルなどの音楽PR二本を軸にフリーランスとして奮闘中。 また、フリーライターとして、ファッションや音楽、アートなどカルチャーをメインとした執筆活動を行っている。 カルチャーwebマガジンQeticにて連載コラムを執筆するほか、取材や撮影時のインタビュアー、コーディネーターも担う。 近年では、ベルリンのローカル情報やアムステルダム最大級のダンスミュージックフェスADE2013の現地取材を行うなど、海外へと活動の場を広げている。12年に初めて行ったベルリンに運命的なものを感じ、14 年6月より移住。

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