前回はどのような服に、どのような素材が使われるのかを学びました。
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今回は、それぞれの生地がどういう工程を経て作られるかを見ていきましょう!
◆素材の元になる糸はどうやって作る?
綿やウール(羊毛)は採取された時はわたの状態ですから、これを糸にする作業が必要です。
わたは長さの短い繊維から形成されているのですが、このわたから複数の短い繊維(短繊維と言います)をつまんでねじって引き出していくと、連続した1本の糸を取り出すことができます。
この原理を応用して機械化したのが紡績です。
紡績を経て糸になる短繊維に対し、はじめから1本のつながった糸(長繊維)を作ることも多くあります。多くは化学繊維・合成繊維で、前回の例に出たウルトラライトダウンの生地には長繊維が使われています。
ポリエステルならPETボトルと同様の原料を熱で溶かして細い孔からところてんのように引き出し、強く引っ張り伸ばすことで強度のある糸を作ります。ちなみに天然の長繊維もあって、蚕の繭の糸からできる絹がそうです。
短繊維、長繊維とも、それぞれの工程を経て作られた糸は、その後、強い撚りをかけたり、異なる糸同士を撚り合わせたり、縮れを出したり、糸自体を加工したうえで、織るか、編むかして、生地になります。
ここまでは1本の糸から平面の生地を作るまでのプロセスですが、服に使う生地の場合、そこから、
- 色や模様をつける
- 生地の触り心地を柔らかくする
- ハリを持たせる
- 風合いを変える
こともあります。
抗菌、防臭加工や生地にフィルムを張り合わせて水を通さないようにしたりするなど、機能性を付与するプロセスを経て生地は初めて完成します。
【続く】