日本繊維産業連盟が「環境・安全セミナー」開催

2017/06/23 04:21 更新


繊維、ファッション業界関係者が約120人聴講した

《FBとCSR サステイナビリティー》 国際的企業連合の動向など報告

 日本繊維産業連盟は21日、都内で「環境・安全セミナー―最近の国際的企業連合の動きについて」を開催した。SAC(サステイナブル・アパレル連合)や、有害化学物質排出ゼロを目指すZDHCといった企業連合の動向とともに、中国、韓国の繊維産業におけるサステイナブル(持続可能)な取り組みを紹介した。SACの創設メンバーの1社であるアシックスからも担当者が講師として招かれた。会場には繊維、ファッション業界関係者約120人が来場した。

 日本繊産連の鎌原正直会長は冒頭のあいさつで、「企業連合の加盟企業に関わる川中企業から、これまでの取引先と異なる要請内容への対応に迫られているという報告を受けた」と切り出した。「欧米企業や世界の市場には、これらの企業連合の動きに対応する必要があると思っている」と述べた。

 日本繊産連では東アジアの繊維産業の今後をにらみ、09年から日中韓の繊維産業協力会議を毎年開催している。「この会議でも環境、安全は重要なテーマに挙がっており、専門家同士の議論でも企業連合の動向を注視すべきとの意見が出ている」と強調した。

 講師の一人で、韓国のFITI試験研究院の金裕謙研究・開発本部長は、SAC独自の指標で、環境負荷および労働環境を測定・評価、改善を促す「ヒグ・インデックス」について、「今は推奨されているもので強制力はないが、20年には加盟企業との取引においては義務化されるはず」と指摘した。

 中国紡織工業連合会社会責任弁公室の胡柯華副主任は、「20年に向かって繊維・ファッション業界は持続可能な産業を目指して連帯できると考えている。SAC、ZDHCは欧米企業を中心としたブランドホルダーからプッシュされたもの。サプライヤーはどうしても受け身になってしまう。双方が一緒に連帯して取り組むことが重要」と話した。

 アシックスのグローバル法務・コンプライアンス統括部CSRサステナビリティ部サプライチェーンCSRチームマネージャーアジア・パシフィックを担当するリリアン・ツェン氏は「チェンジと協力が大事。サステイナブルを目指すチームという意識を持って、議論を積み重ねた先に真の変化を実現できると思う」と語った。




この記事に関連する記事

このカテゴリーでよく読まれている記事