【記者の目】変容する大型商業施設の館作り 多様な“顔”で集客目指す

2023/11/27 14:00 更新有料会員限定


高い売り上げの伸びが続いている大丸大阪・心斎橋店と心斎橋パルコ

 今春の新型コロナウイルス感染症の5類感染症への移行後、消費行動がさらに活発になり、コロナ禍前の売り上げ実績を上回る百貨店、商業施設が増えてきた。一方で入店客数はコロナ禍前には戻っていない施設がほとんどだ。人口減少、ECの定着、居住地にある最寄り施設での買い物傾向などが指摘されている。「客数はコロナ前にはもう戻らない」との見方が主流のようだが、新設や大規模改装を進めている最近の百貨店、SCをみると、多様な客層の来店目的を高めることに重点を置いた売り場やテナント構成で集客力を高めている。

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異質を組み合わせ

 高島屋京都店は10月中旬、新設の専門店ゾーン「T8」と一体化した京都高島屋SCに生まれ変わった。T8には国内3店目の「ニンテンドーキョウト」やアートを強化した「京都蔦屋書店」、漫画・玩具・ゲームの販売・買い取りの「まんだらけ京都店」など、高島屋にないエンターテインメント&カルチャーを導入した。

 倉本真祐東神開発社長はオープンに際し「対比が際立つSCに仕上がった。新客の獲得に期待している」と語っていた。開業プロモーションのチャッチフレーズは「千客万来」。国内外の観光客、学生や会社員、地域住民など、多様な客層が様々に利用する場にすることがSC化の狙いだ。

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