日本パーソナルスタイリング振興協会(JaPPA、しぎはらひろ子代表理事)は9月から、国内で初となるパーソナルスタイリング知識の測定試験「TOPSS」(トップス)を開始した。
今後はトップスを英語能力測定試験のように普及し、キャリアパスや企業の採用基準としての活用、教育機関のカリキュラムとして導入されることを目指している。
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JaPPAは昨年12月、エアークローゼットと国内の服飾系教育機関や業界団体などが共同で設立し、協会に参画した団体の有識者が約8カ月かけてトップスを作成した。結果は3段階にグレードを分け「800点以上であればプロ、600点以上なら中級」(天沼聰エアークローゼット社長)といった知識レベルの目安を明示する。
同協会は、パーソナルスタイリングの「業界共通の知識測定制度として試験開発」を進めてきた。知識の定義や必要とされる内容を検討し、本格導入前に試験的にテストも実施し、受験者の知識レベルとトップスのスコアの相関関係も検証した。試験の設計では、英語能力測定試験「TOEFL」などの開発で実績のあるプロメトリック(東京)と協業した。
今後は学生を含めた受験者の拡大に加え、ブランドや百貨店などに情報を提供。販売能力との相関関係を示し「点数の高い販売員にはインセンティブを付ける、といった活用を促したい」(天沼社長)としている。
トップスは全国170カ所以上に設置されたテストセンターで随時受験(ウェブ受験)できる。設問数は100問(900点満点)、試験時間85分、受験料は6000円。
しぎはらひろ子代表理事の話
パーソナルスタイリングの知識の客観的な評価基準がないままに、パーソナルスタイリストが急増した。測定試験という〝共通のものさし〟を作ったことで、ファッションの未来への指針になる。個人の実力や価値の数値化により「感性」だけに頼ることなく、学びの重要性を知ることになり、業界全体の知識の底上げ、未来への力となると確信している。