新ライフスタイルの知恵(宇佐美浩子)

2020/06/04 06:00 更新


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6月の声を聞くと、「もうmid 2020?!」 なのだと気づく。

そしてこのシーズンの特徴と言えば、「June Bride」。

リモート披露宴も開催される中、結婚パーティも新しいスタイルがこの先も続々登場するのでは?

そこで6月最初の「CINEMATIC JOURNEY」は今注目のキーワードと重ね、「新ライフスタイルの知恵」をテーマに開幕!

まずは今回の世界的緊急事態の優等生的存在の国、と評評判なドイツにて、150万人動員という大ヒットした話題作『お名前はアドルフ?』から。

めでたく映画館も再開し、新たな観賞スタイルが導入された今。

❝まさに時代のNouvelle Vague到来!❞ではないかな、と思ってしまう。

そんな時代の記憶を残すこととなった「コロナ」という名。同名の名を持つ人物や商品、店舗などもある。

同様に本作タイトルも、受け止める側によりさまざまな思いやイメージが混在する。

では、このタイトルを目にしたら、誰をイメージしますか?

というわけで、美味なテーブルを囲むはずが、なぜだか思いもよらない論争へと発展し、なんとも残念!だが同時に、予想だにしない真実が次々と明らかにもなった!

というちょっと知的で、奇想天外な大人たちの弾丸トークが、かつてのベルリンの壁のごとく「ドイツ語」という言語の壁はあれど、字幕を追いつつ楽しめる、後味の良いスパイスが決め手。

さて、気になるのが物語のメイン舞台となる邸宅内のハイセンスなインテリアの数々。

壁面の写真やアート作品のディスプレーにはじまり、モダンなスカンジナビアンスタイルのリビングやダイニングには「ファームリビング」や「ハウスドクター」というデンマークのブランドを随所に採用。

そして有名シェフも愛用する「ル・クルーゼ」のお鍋や、リッチな香りが漂うワインが注がれたグラスやテーブルウエアなどと続く。

すっかり馴染んだ感のある「おうち時間」を楽しむ参考になるのでは?!

ちなみにライン川のほとりに佇む瀟洒な邸宅は、所有者が実際に暮らしている家を8週間拝借し、撮影が行われたとのこと。

❝この作品ではリアリティが特に大切…❞

というプロデューサーの熱き思いから、「絶対にスタジオで撮影を行わない」と決めていたのだとか。


『お名前はアドルフ?』

6月6日(土)よりシネスイッチ銀座ほか全国順次公開

© 2018 Constantin Film Produktion GmbH



「新ライフスタイルの知恵」がテーマの今回の「CINEMATIC JOURNEY」。

続いては、映像美の魔術師とも称したい、スペイン映画界が誇るペドロ・アルモドバル監督の新作『ペイン・アンド・グローリー』


アルモドバル版「ニュー・シネマ・パラダイス」と称される本作。

先日、当コラムでもご紹介した大林宜彦監督の最新作にして遺作となった『海辺の映画館―キネマの玉手箱』 然りだが、永遠の名作と呼ばれる作品名もまた、人々の記憶に直結するものだなと痛感する。

そんな初の自伝的作品の主人公、映画監督で脚本家役を演じるのは、2019年のカンヌ国際映画祭にて主演男優賞を受賞したアントニオ・バンデラス。なんと彼のデビュー作は、アルモドバル監督作『セクシリア』だった。

そしてアルモドバルのミューズことペネロペ・クルスが主人公の子供時代の母親役を好演。

「ようこそ!アルモドバル・ワールドへ」気分満載の物語が幕を開ける本作は、主人公の人生を彩る光と影、過去と現在、そして次なる一歩が…

「メイキング」画像より>左から監督、主人公の母親役、主人公

思い起こせばかれこれ20年以上前に監督が来日された際、担当していたラジオ番組用インタビューの機会をいただいた。

その時、初めて耳にしたデザインにおけるポストモダンの代表として知られる多国籍デザイナー集団「メンフィス」の話題は、その後、世界的に活躍する建築家やファッションデザイナーとのインタビューの際にも登場する名だ。

そして本作でも、その中心人物であったイタリアの建築家でインダストリアルデザイナー「エットレ・ソットサス」という背表紙の本を書棚に見つけ、思わずニヤリとしてしまった。

アルモドバル・スタイルの真骨頂こと、衣装、インテリア、色彩など細部に及ぶこだわりは本作でも輝きを放っている。


たとえば上記のシーンにも見られるイタリアの家具ブランド「カッシーナ」のソファ「ユトレヒト」は、1935年、オランダ人建築家ヘーリット・トーマス・リートフェルトのデザインによる傑作の一つ。

ちなみに彼は、世界遺産のシュローダー邸をはじめ、ヴァン・ゴッホ博物館、ユトレヒトのフレーブルフ映画館なども手掛けたそう。

また数々のシーンに登場するインテリアやアート、ファッションの色彩の中でも、アルモドバルらしい情熱の「赤」が放つイメージと、グリーン・アップルのアートや主人公の衣装に多々用いられる「緑」から、観る者が想起するものとは??

監督の思いが詰まった濃厚な味わいを劇場でお楽しみあれ!


『ペイン・アンド・グローリー』

6月19日(金)、TOHOシネマズ シャンテ、 Bunkamuraル・シネマ他全国ロードショー

配給:キノフィルムズ

©El Deseo.


宇佐美浩子の過去のレポートはこちらから

うさみ・ひろこ 東京人。音楽、アート、ファッション好きな少女がやがてFMラジオ(J-wave等)番組制作で長年の経験を積む。同時に有名メゾンのイベント、雑誌、書籍、キャセイパシフィック航空web「香港スタイル」での連載等を経て、「Tokyo Perspective」(英中語)他でライフスタイル系編集執筆を中心に活動中

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