博多阪急 秋の改装後好調続く 16カ月連続の増収

2018/03/20 04:26 更新


 開業から7年目の昨秋、約19億5000万円をかけて初の大規模改装を行った博多阪急が好調だ。昨年4月から地下1階~地上4階の夜間営業時間を1時間短縮したにもかかわらず、改装後の売上高は11月が前年同月比12.2%増、12月11.4%増、今年1月6.6%増、2月12%増と大きく伸ばし、16カ月連続の増収。「改装によって、博多駅内百貨店としてハレ需要を満たす役割を明確にできた」(並松誠店長)としている。

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 改装前の調査に基づき、より上質で高感度、ハイグレードな商品を求める「ハレ需要」に対応した結果、客数の伸び以上に客単価が上昇している。

 1階に導入したバッグや革小物中心の「サンローラン」「プラダ」「フェンディ」、3階に導入した「カルティエ」「ブルガリ」「ロレックス」などの特選ブランドの充実により、インバウンド(訪日外国人)を含めて駅立地を生かした広域からの上顧客層の呼び込みにつながっている。こうした上顧客層の買い回りで既存の「グッチ」や化粧品、5階婦人服にも波及効果が出ているという。

 3階では特選宝飾店と婦人ヤングファッションが共存する形となったが、売り場が半減した婦人服は効率が大幅に改善、特選宝飾店では従来店では少なかった若い客層がエントリープライスの商品を買い求めるケースもみられる。

 4階婦人服ではOLに加え、子育てママも対象にオフィス、オフ、ドレスアップなどシーン別の売り場に再編したことで、既存の「アンタイトル」や「グレースコンチネンタル」「マッキントッシュフィロソフィー」「バンヤードストーム」などが活性化。自主編集・自主販売の「サニー&ボーダー」は「まずまずの売り上げ」となっており、試行錯誤を重ねながら運営精度を上げていく。

 今回の改装で増加した50~60代の上質な客層向けに今後、食品や5階婦人服の品揃えを見直す。また、特選ブランドの充実に伴い、昨年秋から外商人員を約10人体制に拡充しており、外商顧客の開拓をじっくり進めていく。18年3月期売上高は目標の464億円(前期比4.5%増)超えが確実。早期に500億円達成を目指す。

キッテ博多(右奥)とアミュプラザ博多(手前)の間でハレ需要を担う博多阪急


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