福岡パルコ、ソラリアプラザが復調 ヤング層取り込む

2020/07/31 06:27 更新


 福岡・天神地区の福岡パルコとソラリアプラザは売上高が復調している。全国的に都心部の商業施設は回復が遅い傾向だが、ヤング層の取り込みなどが寄与している。同地区は建て替え促進の再開発事業「天神ビッグバン」で、ヤング層に支持が高かったファッションビルが閉店、来街者減少が懸念されていた。2施設は閉店施設からの有力テナントの移転などで、新規客が増えている。コロナ禍で来街者の動向は読みづらいが「ヤング層が減少しているようには感じない」ようだ。

【関連記事】《FB用語解説》天神ビッグバン 30棟以上の高層ビル建設を促す大規模開発

 天神地区は3月末までに、九州一円からヤング層の来館が多かった開業44年の天神コアと天神ビブレが閉店。来街者減少に街をあげての取り組みが求められていた。福岡パルコは閉鎖施設から有力店数店を導入、特にオープン時に入場制限を行った「アニメイト」や「スーパースピンズ」などは顧客も多く好調だ。直近の売り上げは前年の90%台まで押し上げており、「来館者は上の世代は減っているが、ヤング層は増えている」と、既存客に加えて幅広い客層を取り込んでいる。

 西日本鉄道が運営するソラリアプラザはグループの天神コア閉店に伴い、企業全体で街を盛り上げる取り組みを進めている。天神コアからは10店が移転し、4、5階を再構築してヤング層への対応を強化した。新店オープンはコロナ禍の影響で、4月から5月下旬にずれ込んだが、「顧客を持っており勢いがある」と、「リエンダ」「スライ」「マウジー」などが好調。売上高は6月が前年同月比20.2%減で、7月は6月より上向きさらに復調している。現在、大々的なイベント実施は難しい状況だが、これまで行わなかったヤング層向けイベントも検討している。

 2施設は5月20日から営業を再開。来館者数も徐々に増えているが、新型コロナウイルス感染症が福岡でも増加傾向で、「先行きを見通すのは難しい」という。

閉館した天神コアからテナントを導入しフロアを再構築したソラリアプラザ


この記事に関連する記事

このカテゴリーでよく読まれている記事