フードリボン、TSIHD、豊島が業務提携 未利用農作物を天然繊維製品に

2022/11/01 06:29 更新


パイナップルの葉などを活用

 フードリボン(沖縄県大宜味村、宇田悦子社長)は、TSIホールディングス(TSIHD)、豊島と共にパイナップルの葉やバナナの茎など未利用農作物を天然繊維製品にする企画・製造を通じてサステイナビリティー(持続可能性)への貢献を果たすことを目的に業務提携契約を締結した。

 TSIHDと豊島は、フードリボンが抽出した繊維の製品化に協力し、出資も視野に入れた業務提携契約を結んだ。年内にインドネシアで繊維抽出を開始し、その後はフィリピンやタイなどのアジア諸国に事業を拡げていく計画だ。フードリボンは繊維抽出技術を継続的に研究開発し「持続可能な社会の実現に向けた取り組みを強化する」考え。

 世界のパイナップルの果実生産量は約3000万トン、バナナの果実生産量は1億トン以上あり、それに付随して出てくる葉や茎は、その数倍以上の量があると言われているが、そのほとんど活用されずに廃棄されている。これらの葉や茎からは繊維が抽出でき、衣料品として使えることは従来から知られていたが、「現在普及している半手作業による繊維取り出し手法では、生産効率が悪く品質も低いし、コストも高いという課題があり、流通するものには至っていなかった」(フードリボン)。

 同社は、この課題を解決するべく研究開発を19年からスタート。22年に環境負荷が少なく量産可能な繊維抽出装置の小型化に成功。「従来は葉や茎を農地から工場に運んでいたが、小型化された本装置を畑まで運び、農地で加工してから繊維を運ぶことができるようになった」という。

関連キーワードサステイナブル



この記事に関連する記事

このカテゴリーでよく読まれている記事