アメカジブランド「フラットヘッド」が復活した。高品質な物作りの継続と生産量の適正化などで、承継した会社は23年7月期に黒字化した。海外向けの売上高も19年比で約3倍になった。
同ブランドを運営していたグローバルユニット(長野県千曲市)とフラットヘッド(同)が19年に民事再生法適用を申請、投資会社のシリウスパートナーズが承継会社フラットヘッド・ネクスト(同、高畠康之社長)を設立した。「過剰生産とアパレル以外の事業の不調が原因。商品企画と社員の質は高く、立て直しは可能」と判断し、アパレル事業のみを承継した。
コロナ下は売上高が激減したが、給与の引き下げなどはしなかった。空いた時間で社員に英語の習得などのスキルアップを推奨した。革小物用の自社工房を拡大、革ジャンを内製化する設備投資で反転に備えた。
社内改革も始めた。「質も価格も下げず、適量生産を徹底した」。不採算店を整理し、全盛期の16店から9店に集約した。認知度向上を狙い、東京・神宮前の店は人通りの多い原宿に移転した。卸では海外への営業を強化した。結果、経営が健全化した。原宿を中心に20代から60代まで幅広い新規客も増えた。拡販のため、イベントなどへの露出も増やす考えだ。
「規模の拡大よりもブランド価値の向上が大事」と高畠社長。職人の技術などをアピールし、「海外でも日本発ラグジュアリーブランドとして評価されたい」と話す。