福岡ファッションビル 九州の若手集め2回目のショー

2018/02/28 04:29 更新


 若い世代とともに、福岡の街とファッション産業に活気を――福岡ファッションビルを運営・管理するエフ・エフ・ビー(福岡市、本田義博社長)は今月、若手4ブランドを集めてファッションショーを開催した。福岡発のファッションを盛り上げる「Revo×Laboフクオカ」プロジェクトの一環で、昨年に続き2回目。セレクトショップ「ウォール」の顧客、バイヤー、業界関係者など、昨年の約300人を上回る約550人が来場した。

(関麻生衣)

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 今年は演出にもこだわり、三角のランウェーに白の蛍光灯とシンプルにした。衣装を引き立たせることで、それぞれの世界を存分に見せた。

 ショーに参加したのは継続の「またどまーじゅ」(内野陽介)、「デコード」(山田一樹)に加え、新規で「たゆたう」(三宅茂雄)、「ヒノミホ」(日野美穂)。

 初めに登場したのは、またどまーじゅ。白を基調としたドレスや量感のあるキルティングコート、ほかに茶系の布をフリル状に何重にも重ねたチューブトップドレスなど種類を豊富に見せた。

またどまーじゅ
またどまーじゅ

 たゆたうは、裾に広がりのあるスカートやイレギュラーヘムのワンピースを見せ、布の動きを生かして「定まらない心境を表現した」。

たゆたう
たゆたう

 雰囲気ががらりと変わり、赤く照らされた会場に登場したのはデコード。「ミリタリーナース」をテーマにし、ストリートにセクシーさを加味した。デニムをつぎはぎしたドレスやデニムにカムフラージュ柄の生地を合わせたジャケットに、ナース帽をポイントにした。 

デコード
デコード

 最後に花の総柄のトップとボトムのセットアップを見せたのは、ヒノミホ。体の線を意識したタイトスカートやパンツなどが目立つ。青や緑、黄色、紫など色彩豊かに表現した。

ヒノミホ
ヒノミホ

 本田社長は「前回の来場者がSNSで発信して、今回は全国各地からお客が集まった」と、ショーに手応えを得ている。「若い世代と意見を交換しながら、これからも新しい取り組みを企画していきたい。業界が低迷しつつあるなかで、ビルに新たな機能をプラスするだけではなく、福岡の街とファッション産業を盛り上げていきたい」という。

 ショーと連動して、福岡パルコ本館2階のウォール(アッシュ・ペー・フランス)で、参加ブランドの期間限定店も開く。期間は3月16~31日。

今年は演出にもこだわり、ランウェイを三角に工夫。照明は白の蛍光灯でシンプルにした
右から「ヒノミホ」日野美穂さん、「デコード」山田一樹さん、本田義博社長、「たゆたう」三宅茂雄さん、「またどまーじゅ」内野陽介さん


 ■「デコード」デザイナー山田一樹さん


 福岡はファッショントレンドを追うというより、好きなものを着ている人が多い印象です。芸能人ではなく、店舗スタッフのスタイリングを手本にする人もいて、デコードのエプロンも「スタッフが着ているものが欲しい」と買ってくれたお客がいました。

 トレンドに左右されずに、自分がしたい物作りができて、それを受け入れてくれる消費者もいるため、これからも福岡を拠点に活動を続けたいですね。このショーの魅力は、お客に作品を生で見てもらえるということです。展示販売会でお客と触れ合うことができるのも特徴の一つだと思います。今年は東京から足を運んでくれた人もいて、前回の反響の大きさを実感しました。

 ■「ヒノミホ」デザイナー日野美穂さん


 服飾関係の企業に就職し、ここのがっこうに2年間通いました。卒業後、渡英して昨年日本に帰国しました。それで立ち上げたのがヒノミホで、ショーをするのは今回が初めてです。

 デザインは花など自然に着想を得ています。自分の好きなものを徹底して掘り下げた時に、何か脚色されたものではなく、その起源にある有機物のイメージが浮かんだのです。

 柄は全てオリジナルです。これまではインクジェットだけでしたが、今回はシルクスクリーンや刺繍も使って、柄を全面に表現しました。

 消費者に売るのを意識して物作りをしたのは初めてで、ショーを終えて、充実感を得ています。これまでは「こうじゃなきゃいけない」という意識が強くありましたが、今回は純粋に自分が作りたいものを作れました。これをきっかけに、可能性を福岡から広げていきたいです。




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