カジュアルウェア製造卸のリング(名古屋市、高瀬力哉社長)による酒をテーマにしたオリジナルアパレル「ヨイドレ」が好調だ。積極的な協業企画とSNS活用が実り、発売から2年で30~70代と幅広い年代の男性から人気を集めるブランドに成長した。女性やインバウンド需要も獲得し、今期は売上高3億円を見込む。
飲食、漫画とタッグ
コンセプトは「酔っ払いに届ける、酔いどれのためのブランド」。企画営業担当の碇谷智史さんが中心となって立ち上げ、23年秋冬から販売を始めた。「コロナ後に再び飲み会に行けるようになり、酒を通して楽しむ時間を盛り上げるのに役立つ製品を提供したい」と社内外の仲間と酒をテーマにしたコンテンツを開発。酒に関わるグラフィックをプリントや刺繍で表現した。

サイズ表示でも酒好きの心をくすぐる。Mは中ジョッキ、Lは大ジョッキ、XLはメガジョッキとした。また、酔っぱらいを〝虎〟と呼び、酒を〝ささ〟と呼ぶことから、笹藪と虎を付き物として「酔虎」をアイコンにした。
好調の背景には協業企画の成功がある。24年夏物で沖縄の「オリオンビール」、樽生ビールメーカーのパーフェクトビア、東京・水道橋の人気立ち飲み居酒屋スタンドヒーロー、さつま無双の薩摩焼酎「いまかの」「もとかの」と協業した。25年春物では漫画『賭博黙示録カイジ』と半袖Tシャツを出した。
小籠包(しょうろんぽう)で知られる台湾レストラン「京鼎樓」(ジンディンロウ)との協業も高い人気を集める。25年春夏に続き秋冬でも協業し、長袖Tシャツを出す。刺繍とプリントを交え、胸に「JIN DIN ROU」とヨイドレの文字を入れ、背中は全面に京鼎樓ロゴと小籠包の絵を大きく刺繍した。白、黒、紺があり、税抜き6300円。

SNSではインスタグラムを中心に芸人やインフルエンサーを起用したPRを積極的に行い、認知度を上げ、自社ECサイトに導いた。
アウターやボトムも
24年秋冬からはレディスも始めた。織りネームに〝酔いどれ女子会〟を表すマークを付けた。グラフィックは上品さを意識し、ビールと猫、ビールと虎などをプリントと刺繍で表現した。
トータルブランド化を目指して、25年秋冬からアイテムを広げる。アウター、ボトム、ジャージーのセットアップのほか、キャップやバッグなどの雑貨も強化する。アウターはリバーシブルのスカジャン、スーベニアキルティングのリバーシブルジャケット、デニムワークジャケット、ウール50%混のCPOジャケットなど高品質なカジュアルウェアを提案する。ボトムは「酒」「酔」の文字を全面刺繍したカーゴパンツ、ビールの文字を大きくジャカード編みしたニットなどを訴求する。

