ファーストリテイリングのユニクロは、東レと共同開発の機能性中わたを使った「パフテック」を今秋冬の主力商品として拡販する。ジーユーは、グローバル市場で通用する商品作りのため、ユニクロのノウハウ活用を本格化する。2ブランドが今後、どのように成長を加速する考えか。勝田幸宏ファストリグループ上席執行役員ら、キーマンへのインタビューをもとに読み解く。
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ユニクロ
ダウンの弱点を解消する商品
ユニクロの秋冬の主力商品の一つがダウン製品だ。特に、「ウルトラライトダウン」は「軽さと暖かさをかなえる商品として長年お客様の支持を得てきた」。勝田上席執行役員はこう話す一方で「ウィークポイントもある」と指摘する。
天然素材のダウンは、水に濡れるとかさ高性を維持できず、防寒性が損なわれる。また、ユニクロのダウン製品は手洗い可能だが、ドライクリーニング不可、乾燥機も使用できず、家庭での手入れの手間がかかる。
弱点を解消するために東レと開発したのがパフテックだ。東レの大川倫央GO事業部部長は「10年前に開発に着手し、年100回の試作を繰り返し、かさ高性と着心地が両立できる中わたを作った」と明かす。
髪の毛の5分の1の細さの中空糸を使った球状の中わたが断熱性や保温性を発揮する。水濡れや湿気に強く、家庭洗濯でき乾燥時間も短い。わた抜けの心配も少なく、様々なデザインに対応できる。
23年秋冬に販売を開始し、24年秋冬は中わたの性能をさらに高め、商品バリエーションを増やした。東レは今後も「毎シーズン、機能をアップデートしてダウンを超えたい」(大川GO事業部部長)考えだ。
どちらかでなく、どちらも売る
ユニクロはパフテックを「ダウン製品に置き換わる可能性がある」(吉田実恵子グローバルマーケティング部リーダー)と評価する。では今後、実際にダウン製品をパフテックに順次、置き換えていくのか。
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