青森県五所川原市の「エルムの街ショッピングセンター」は23年度(24年3月期)、別棟(ユニクロやヤマダテックランドなど)を含むSC全体及び専門店棟の全部門(衣料・住居・食品・飲食サービス)の売上高が前年を超えた。特に第2四半期(23年4~9月)までは前年同期比2ケタ増で推移したが、秋以降は残暑・暖冬の影響が大きく、長年強みとしてきた秋冬商戦が苦戦気味となった。気候変動などの外部要因に対応するために販売促進策で軌道修正しながら柔軟に対応した。
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22年秋から23年度いっぱいにかけて大規模なリニューアルを実施した。新規10店を導入し、22店を改装して、売り上げの底上げを図った。従来からの青森県内1号店やエリア唯一の店舗、大型店舗の導入戦略を継続。今回の改装ではフリークスストアやフライングタイガーコペンハーゲン、ドットエスティ、ABCマートグランドステージ、ベーカリーのドンクなどを導入。県内はもとより秋田県の一部からも含めて集客力を高め、客数増の起爆剤となった。
今年3月には約10年ぶりに食品専門店ゾーン「新鮮市場」を全面改装し、エルムのシンボル的な存在として差別化戦略の重要な役割を果たしている。
24年度はアパレルから食品まで全方位で感度アップを図る。今年3月に食品スーパーのイトーヨーカドーが退店したことを受けて、開業以来初の食品スーパーの入れ替えを準備しており、仙台以北では初出店となるロピアが今夏にオープンする予定だ。4月にはユナイテッドアローズグリーンレーベルリラクシングなどが新規出店した。
このほか、20年後を見据えて環境・設備面の刷新を予定する。青森駅ビルの増築など県内の商環境が大きく変化するなか、先手を打った対策を進める。