青森県五所川原市の大型商業施設ELM(エルム、五所川原まちづくり運営)は、22年秋以降、業績回復に拍車がかかっている。22年度(23年3月期)はSC全体(本棟と別棟合計)の売上高が前期比7.5%増の177億円となった。19年度比では改装に伴う売り場休業などもあり6.9%減だったが、着実に売り上げを戻している。今期に入っても4月、5月が前年同月比で10%前後の伸びで推移するなど好発進。店舗入れ替えや既存店改装などが着実に効果を上げており、今年度は19年度並みを予想している。
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22年度は、コロナ禍や今年1月25日に十年に一度クラスの寒波到来で全店午後7時に閉店するなど、営業時間短縮や臨時休業が影響した。しかし、昨秋以降、人流の回復に伴って売り上げは回復傾向となっている。22年度売上高は本棟は149億1000万円(8.5%増)、別棟27億9000万円(2.5%増)だった。
本棟は22年8月以降、前年水準を超えており、22年8月~23年3月の8カ月間の売り上げは前年同期比8.5%増。うち衣料品は12.8%増、飲食・サービス18.9%増と健闘し、住居部門3.7%増、食品4.8%増。なお、SC全体の部門別(年間売上高)は、ファッション部門が32億9000万円、住居部門36億円、食品部門(イトーヨーカ堂含む)54億5000万円、飲食・サービス部門25億7000万円だった。
商圏内の競合環境の変化に対応して、22年度に重点的に取り組んだ、感度を重視したMD差別化戦略の効果で、秋以降の増収につながった。別棟はコロナ下でも大幅な売り上げ減少がなく、堅調に推移した。
今期に入り本棟は4月15.3%増、5月9.4%増と伸ばしており、買い上げ客数増、客単価増が業績を押し上げている。