「コールマン」持続的成長への視点㊦ 通年平準化で稼働率上げる

2020/11/23 06:28 更新


中里豊社長

≪キャンプをブームで終わらせない≫「コールマン」持続的成長への視点㊦ 通年平準化で稼働率上げる

 新型コロナウイルスが日本に唯一もたらしたプラスの要素は、生き方や働き方を見直す機会を強引に与えたことです。多くの人が家で仕事をするようになり、会社に行く意義や通勤時間の有効活用などを真剣に考え始めました。テレワークの必要性は以前から言われていたことですが、コロナを機に導入する企業が一気に増えましたよね。

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平日は週末より快適

 その結果、余暇が増え、平日にキャンプを楽しむ人が増えています。近年、冬キャンプが人気となり、アクティビティーの「通年化」が指摘されるようになりましたが、それでもキャンプ場の稼働は週末や連休に集中していました。しかし今後は、シーズンだけでなく、曜日の平準化が進み、キャンプ場の稼働率向上を期待できます。

 平日にキャンプをすると、週末より人が少なく圧倒的に快適です。こうした良さや楽しみは人から人へ「伝染」するものですから、広がるのも時間の問題でしょう。平日キャンプにはかなりの可能性を感じます。

キャンプ場とも連携

 21年に、コールマンはブランド誕生120周年、ジャパン社設立45周年を迎えます。外資ブランドとして45年もの間、日本市場に居続けることができたことに感謝したいですし、そのことを誇りに思います。

 国内のキャンプ用品市場の成長率が、このまま毎年1ケタ台後半から10%台前半の成長を続けるなら、当社が50周年を迎える5年後には、市場規模は1000億円規模になるでしょう。そうなると、産業として一定の存在感を得ることになります。当社としても市場拡大に向けて貢献したいですし、業界の持続的な発展に向けて様々な取り組みをしたいと思っています。

 キャンプ場との連携強化もその一つです。全国にあるキャンプ場の中には素晴らしい自然環境を持ちながら、知名度の低さなどから稼働率の低いところがまだあります。そのために、ハイシーズンに特定のキャンプ場にお客様が集中し、混雑してしまう状況が生まれていました。こうした問題を解消するため、いくつかのキャンプ場と連携し、例えば当社がホームページの見せ方や写真の使い方の指南、SNSなどを活用した宣伝の手伝いをして、認知度向上と来場促進をサポートしたいと思っています。

ブランド誕生120周年を記念して出すランタン

■冬キャンプ、3年前の倍

 日本オートキャンプ協会によると、キャンプの実施時期はお盆や春の大型連休のある月以外が年々伸びている。特に、オフシーズンだった12~2月にキャンプをした割合はじわじわと上昇し、19年は3年前の2倍の水準に達した。キャンプの通年化・冬キャンプの人気上昇がうかがえる。この傾向はギアの購入時期も同様のため、翌年投入予定の新作を年内に販売するメーカーも現れた。


(繊研新聞本紙20年10月28日付)



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