「コールマン」持続的成長への視点㊤ 「作り・売りっぱなし」やめる

2020/11/22 06:30 更新


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中里豊コールマンジャパン社長

≪キャンプをブームで終わらせない≫「コールマン」持続的成長への視点㊤ 「作り・売りっぱなし」やめる

 緊急事態宣言が明けて以来、空前のキャンプブームが続く。ファッション企業の参入・協業も増えるが、専業メーカーからは過熱への懸念が漏れる。かつて業界はオートキャンプブームと終焉(しゅうえん)を経験しており、今回の盛り上がりを歓迎しつつも同じ轍(てつ)は踏みたくないとの思いが強い。リーディング企業のトップは何を思うのか。

(杉江潤平)

6月以降急に回復

 新型コロナウイルス感染が広がるまで、「コールマン」のキャンプ用品売上高は前年同期比20%増ペースで推移していましたが、3月からの3カ月半ほどは2ケタ台の減収が続きました。ところが外出自粛期間を終えて6月以降、売り上げが急回復。1~9月の主要取引先店舗での累計販売は、既に前年実績に到達しました。思ったよりも早く戻ってきた印象です。バッグなど他のカテゴリーや流通の数字を含めても、通期(20年12月期)は増収を見込んでいます。

 ここ数年キャンプ用品業界は活況です。ファミリーキャンプだけでなく、ソロやグループキャンプなどスタイルが多様化し、さらに毎年のようにヒット品が変わるため、市場は力強く、一過性のブームではない、と受け止めていました。しかし、6月以降の急速な盛り上がりやテントの異常な売れ方、毎週のように届く出店や協業のオファーを見ると、ブーム的な危うさを感じています。

キャンプの心得策定

 そこで、キャンプ市場が健全かつ持続的な成長をできるよう「グッドキャンパーの心得」なるものを策定しました。「ゴミは半分、思い出は2倍に」「NO密で、濃密なキャンプを」「ギアにも愛情を、長く付き合える相棒に」「人にも大地にもやさしい、火の扱いを」といった内容で、これをもとに、キャンパーの皆さんと安全やマナー、自然に優しいキャンプとは何かについて考えていきます。

 90年代の第1次オートキャンプブームでは、メーカーは作りっぱなし、小売店は売りっぱなし、キャンパーはやりっぱなしという状況で、すぐにブームは終わりました。この反省に立ち、メーカーとしての責任を果たしていく考えです。

コールマンジャパンでは、キャンプの「心得」を発表し、マナー向上などを呼び掛ける

■用品はピークに迫る

 日本オートキャンプ協会によると、キャンプ用品市場は09年以降11年連続で伸び、19年は前年比7.1%増の推定753億円となり、ピークの96年に迫った。一方、キャンプ参加人口は、19年は860万人と7年連続で伸びたが、ピークの96年の1580万人には及ばない。にもかかわらず市場規模が匹敵するのは、製品単価の上昇とキャンパーの年間購入金額の増加があるためだ。

 20年は市場規模、人口ともさらに伸びることが予想される。しかし、キャンプ初心者が増えることでマナー問題や一酸化炭素中毒などの事故が相次ぎ、イメージが悪化するリスクもある。そのため業界関係者からは、「ブームで終わるか、文化として定着するか、今が分岐点」といった指摘が出ている。


(繊研新聞本紙20年10月27日付)


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