子供関連のマーケティングは難しい。なぜなら、子供と親のインサイト、両方が重なる領域を提案しなければならないからだ。マーケティングの概念の一つにポジショニングがある。お客様の脳内に私たちの居場所をつくることだ。お客様の脳内で、長きにわたって消えることのない存在になることが大切。そのためには、服を「誰と一緒に買った?」「その後、その服を着てどんな感情を持った?」という体験と思い出がキラキラしていないといけない。
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昨今、平成女児ブームになり、当社のかつてのキャラクターも再評価されている。今当社のキャラクターグッズを購入してくださるのは、かつての子供たちだ。当時を思い出し、令和の時代にわざわざ列をなして購入してくれている。その後、そのお客様が親になり、自分のお子様へ想(おも)いを共有するように当社の服を購入してくれればと願う。服でなく子供たちの思い出を創る。わくわく、ドキドキした思い出と共に我々がいる。そのような事業を続けていけば、私たちのビジョンである「夢は世代を超えて」が実現するのだと思う。
最後に最近の消費に関して一言。Z世代を中心に、推し活が消費の真ん中になりつつある。他者応援の消費へインサイトが変化している。実は「子供」とは、親にとって一番の「推し」なのだ。キッズマーケティングの未来は明るいと思う。
(ナルミヤ・インターナショナル社長 国京紘宇)
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「私のビジネス日記帳」はファッションビジネス業界を代表する経営者・著名人に執筆いただいているコラムです。