《私のビジネス日記帳》マーケティングの実践  ナルミヤ・インターナショナル社長 国京紘宇

2024/11/13 06:25 更新


 コンサルティング会社で猛烈にマーケティングを実践し、その後、玩具会社へ転職した。結果として私はそれから20年以上子供関連市場を主戦場としている。

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 マーケティングとは、お客様のインサイト(ほしいと思う気持ちの核心)をあぶりだし「この商品素敵でしょ?」と問い続けること。お客様から「それ欲しかった」と、わくわくしてもらうことがゴール。徹底したインサイトの深読み、競合分析、ベネフィットを届けるビジネスモデルの構築が重要だ。ロングセラーになるためには単発の企画でなく、その後も継続可能な、つまりはカテゴリーに成長する可能性を企画当初からデザインしておかないといけない。

 古い事例だが私の経験の一つを紹介する。IP(知的財産)の新たなカテゴリーを作りたい。そのための新商品の企画開発をした。主要チャネルはドラッグストアで、商品はハンドソープの詰め替え容器。プッシュする箇所にキャラクターを載せ、子供が手洗いするたびにキャラクターのオリジナルのセリフがランダムに発せられる商品だ。子供は好きなキャラクターの声が聞けて楽しいので率先して手洗いをし、その結果、母親も小言を言わなくて済む。母と子のインサイトを満たした商品だった。この企画を版権元に提案したところ、すぐに商品化がOKとなる。当時の著名なキャラクターを一気に獲得してシリーズ化できたことで、大きなヒットとなった。

(ナルミヤ・インターナショナル社長 国京紘宇)

 「私のビジネス日記帳」はファッションビジネス業界を代表する経営者・著名人に執筆いただいているコラムです。

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