海外取引の商品代金回収(阿賀岡恵)

2013/08/22 14:35 更新


Ayame’は国内だけでなく、海外にも積極的に靴下を売っております。ようやく海外の取扱店も30社ぐらいに増えました。インターナショナルに展開しています、と言うと、必ず聞かれるのが、商品代金回収大変でしょ?という質問。

そう、そうなんです。一部エリアの人達、ちゃんと期日どおりにお金払ってくれないんですよ。でも、ここが海外事業の面白さで、それぞれの国民性に慣れてきて、それに応じた対応の仕方のコツがつかめてくると、そんなにヤキモキする事もなく、最終的には回収にたどり着けます。最終的には、ですけどね。

さて、Ayame’の少ない経験からではありますが、私の主観でそれぞれのエリアの支払い特徴をご紹介します。

1.イギリス

Ayame’の海外事業では一番取扱店が多い国です。セールスパーソンがおりますので、納品後支払です。

セルフリッジ級の大企業は別として、30 days net (納品から30日以内に支払)という約束は、まず守られません。期日が過ぎたので連絡すると、「2、3日以内に振込みます」と返答。そこからしばらく音沙汰無し。60日(期日から2ヶ月)を過ぎた頃に連絡すると、「あれ?まだ支払ってなかったっけ?経理に確認します。」と言って、そこからまたしばらく音沙汰無し。

90日(期日から3ヶ月)が近くなって連絡すると、「あー、ごめんなさい。ファイナンス部長が留守で・・・。確認します。」と、このあたりからようやく詫びの言葉が出始めます。この頃からこちらもマメに連絡を入れはじめます。そして、しつこくメールや電話を3日おきにした後、90日を過ぎた頃にようやく回収。と、これが通常の運びで、もっと手こずるところもありますが、一応彼らも最終的には払うつもりはあるようです。

2.北ヨーロッパ

前払い、ちゃんと支払ってくれます。ちなみに時間にも遅れません。遅れる時は、電話してきてくれます。

3.南ヨーロッパ

このエリアは絶対に前払い。オーダーしたはいいけど、納品の頃になると音信不通。何回かメールしても返事無し。最終的な「このメールに返事しないと、キャンセル扱いにしますからね!」という警告メールの1ヶ月後ぐらいに「来週支払います~」と返信が来る。

しかし、待てど暮らせど、振り込まれない。こちらもあきらめて終了、と思っていると、次の展示会にやって来て、前回の言い訳をし始める。で、またオーダー。そして以下繰り返し。

4.北米

ちゃんと支払ってくれます。こちらの納期遅れも許されません。

5.アジア

ちゃんと支払ってくれます。

もちろん皆がこうだと言っているわけではありません。ですが、ウチはだいたいこんな感じです。

てな感じで、ヨーロッパの一部のエリアに多少手こずる場面もありますが、「購入したらお金は払う」という当たり前のことは世界共通認識なので、いつかは払ってくれます。イギリスは欧州の中でもけっこうデタラメですね。彼らもそれがカルチャーだと思っているみたいだし。なので、展示会で会うたびに、「まだ支払ってないよー。私、日本人だからちゃんとして下さいな。」と冗談交じりにしつこく言っています。

イギリスのファッション業界における商品代金回収問題について、興味深い記事見つけたので、英語いける方はぜひ。

It’s Time to Talk About Fashion’s Poor Payors

BY IMRAN AMED 1 APRIL, 2013





気鋭の靴下ブランドAyame’の活動記録。現在年2回、東京、パリ、ニューヨーク、ロンドンにてコレクションを発表、Made in Japanの靴下を世界に発信中 あがおか・あや/Ayame’socksデザイナー/桑沢デザイン研究所卒/2007年Ayame’設立




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