私、東京で阿波踊りがある高円寺という街で幼少期を過ごしてまして、小さい頃から夏祭りと言えば阿波踊りなんです。あのビートが聞こえてくると血が騒ぐというか、夏だ!って感じになるんです。
盆踊りの雰囲気も好きですけど、私的にはちょっとBPMが遅いのよね~。あの阿波踊りの笛の音、和太鼓と鉦の音がしっくり来るのです。とはいえ別に上手に踊れるわけではないのですが、阿波ビートが鳴ると自然に身体がリズムをきざむ感じです。もともと盆踊りも阿波踊りも念仏踊りの一種、お盆の時期に先祖や死者を供養するための踊りなんですって。
阿波踊りには大まかに4つぐらい流派がありまして、のんびり自由に踊る流派、スローテンポで笛の音ピーヒャラ等々、いくつかあります。その中で私の一押しは、三大主流からの異端児と言われているオルタナティブ系!そして沢山ある連の中では、もうね、絶対に苔作(こけさく)連です。
笛や三味線を使わずに、鳴り物だけの力強いビートで観客を圧倒します。そして踊りにもキレがあってかっこいいのです。苔作の踊りは、男踊りも女踊りも、手足を大きく緩やかに動かすのですが、決して体幹がブレない。
男踊りはとにかく腰の位置が低い。なのに上半身は動かず真っすぐ伸びている。女踊りは足の上げ方も高く、少し飛び跳ねるようにクネクネ踊る感じ。それがすっごく色っぽい。少し早めのビートに合わせて踊るので、優雅な動きは難しいはずなのに、踊りにキレがあるからビシッと美しく決まるんです。
踊り子さんも少数精鋭で、上手(というかベテラン)な人ばかり。打楽器の爆音と踊り子さん達のエネルギーたるや、ド迫力です!
はい、これが苔作連。これは本家徳島での阿波踊りです。やー、まじカッコいいわー。
この業界だと毎年8月は秋冬の立ち上がりで忙しく、ここ近年は全然見に行けてません。なのでちょっとネット検索してみたら、苔作さん、今は徳島からゲストとして高円寺の阿波踊りに招かれているのかな?東京苔作は解散しちゃったのかな?というのも、東京の苔作が立ち上がる時、同級生のカン君もその精鋭に選ばれて踊っていたんですよね。
今から26年ぐらい前、当時14歳、中学2年生です。苔作演舞の見せ場、凧(たこ)役も長年に渡って務めていたスターな踊り子の彼です。その時の少数精鋭でカッコイイ感じといったらもう。有名な連になると100人ぐらいで子供も大人もゾロゾロ練り歩くところ、苔作は8人でキレッキレ。私ゃしびれましたよ。
カン君には2歳年上のイケイケのお姉ちゃんがいて、彼女も東京苔作立ち上げの踊り子さん。この姉弟、美男美女ということもあり、二人とも華があってすごく目立つ感じ。十代の頃は遊び方も派手で少々ヤンチャでしたが、阿波踊りとなると真剣さが違い、クラブ遊びして朝帰りしても必ず阿波踊りの練習にだけは行っていました。そして二人ともその頃から踊りは抜群に上手かった。
思えばこのイケイケ姉弟から当時のエッジ先端部のカルチャーを色々吸収した気がするな~。私達が中2ってことは1990年頃ですね。その頃の東京の話はまた別の機会にでも・・・
この動画にもカン君らしき人が踊っています。徳島にも遠征してるのね。横に切る感じの団扇さばきの良さ、昔から踊りの個性は変わっていない!よっ、イイ男!高円寺の阿波踊りは来週末に迫っています!皆さん、よい夏を!
気鋭の靴下ブランドAyame’の活動記録。現在年2回、東京、パリ、ニューヨーク、ロンドンにてコレクションを発表、Made in Japanの靴下を世界に発信中 あがおか・あや/Ayame’socksデザイナー/桑沢デザイン研究所卒/2007年Ayame’設立