ザラ サステイナビリティーの取り組みを店頭で発信

2018/08/21 06:30 更新


 ザラは、六本木の期間限定店で「ジョインライフ・エキシビジョン」を開いている。環境に配慮して製造した商品を特設コーナーで販売し、それらの服に使う素材なども展示するもので、自社のサステイナビリティー(持続可能性)に関わる取り組みの詳細を店頭で消費者に直接発信するのは世界初だ。

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 環境への負担を軽減するためのオーガニック繊維や再生繊維の利用、製造や販売、物流、店舗運営などの面で、水や電力の消費を抑える取り組み全般をザラは「ジョインライフ」と呼ぶ。そうした手法で生産した商品は15年から、ジョインライフのタグを付けて販売している。

 安全性が求められる子供服でオーガニックコットンの使用を大幅に増やし、大人向けの服や雑貨でも環境に配慮した素材や製法で作った商品を増やしている。ザラが販売する服や雑貨など全商品に占めるジョインライフの割合は16年で4%、17年で8%まで高まった。

商品と一緒に布や糸の原料も展示し、店頭で取り組みを伝える

 29日までのイベントでは、ウィメンズの「トラファルックデニム×ジョインライフ」コレクションを中心に商品を特別展示し、販売する。商品に使うリサイクル用のコットンやウールの端切れ、再生セルロース繊維やエコリネンの原料の木材や植物も展示し、環境へ配慮する姿勢を来店客に直接訴えている。

 物作りや物流、販売などで環境や持続可能性に配慮した企業運営を行うには、技術革新などの面で一定の投資を伴う。ザラを運営するインディテックスによると、ファッション産業でもここ数年、サステイナビリティーに関しての消費者の関心が高まり、企業の取り組みも活発化しつつあるという。

サステイナビリティーを考慮した商品には「ジョインライフ」のタグを付ける

 同じグローバル大手ではH&Mが定期的にサステイナブル活動を報告している。昨年4月の報告では、再生ポリエステルなどのリサイクル素材やオーガニック栽培の天然繊維などの全商品に占める使用率を、16年度の26%から30年までに100%にするとしている。

 インディテックスもサステイナブル活動報告は定期的に発表している。H&Mのような数値目標は公表していないが、ジョインライフの取り組みを強化し、最終的には全商品をサステイナブルな素材と製法で作れるようにしたい考えだ。



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