WEF、3月末に解散へ 謝恩シンポジウム開く

2023/03/17 06:27 更新


「WEFの活動で種はまかれ、新しい芽も出た」と尾原氏

 ウィメンズ・エンパワメント・イン・ファッション(WEF)は3月末に解散する。この数年、働き方やライフスタイルが多様になり、女性の活躍には性差を越えた個人が活躍できる社会の実現が問われるようになった。時代の関心がジェンダー平等やダイバーシティー(多様性)などに移り、「女性活躍推進というセッションは一区切り」(寺崎志野会長代表理事)という。3月15日には都内で謝恩シンポジウムを開いた。

 WEFは14年に設立。企業会員50社と個人会員40人が所属し、シンポジウムとキャリアフォーラム、WE推進者会議を年間を通じて開催してきた。謝恩シンポジウムは「女性のリーダーがファッション界を未来につなぐ」がテーマ。第1部に、宮地純カルティエジャパンプレジデント&CEO(最高経営責任者)が登場。自社の女性や若手の活躍支援活動を紹介した。さらに、WEF理事の生駒芳子氏と日本で女性リーダーを生むための考えや課題などを語り合った。

 第2部では会員企業5社の女性社員がWEFのイベントに参加して得た成果とともに、「私のミッション」を発表。各社の代表者も登壇し、発表者へエールを送り、女性活躍への思いを話した。発表したのはYKKやアダストリアなど。阪急阪神百貨店の山口俊比古社長は「女性が活躍し、仕事を通して自己実現し、会社が豊かになり、個人も幸せになる。そういう企業になっていきたい」と語った。

種はまかれ、新しい芽も

 創設者で名誉会長の尾原蓉子氏

 設立時は、女性に主体的に変革を起こすパワーを入れたい思いがあった。10年間活動できたのは、ひとえにみなさんのおかげ。活動する中で、参加者の「参加した経験、知識、モチベーションで自分が飛躍する勇気をもらった」との言葉がうれしく、誇らしく、ありがたい。とはいえ、日本の女性活躍はまだまだ前途遼遠である。

 時代の流れは刻々と進化している。個々が能力を発揮し、生きがいのある人生を生きられる環境をなんとしてでも作らないといけない。そして、それは私たちが旗を振る段階ではもうなくなりつつある。これからの問題は非常に各論的に進化していかないといけない。

 WEFの活動で種はまかれ、新しい芽も出たが、これがどう育つかは、企業が強い意志を持って恐れずに変革することにかかっている。人に優しい社会、企業、職場をつくるバトンを私たちは(みなさんに)受けてほしいと思っている。



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