「VPL」のビンテージ帯のマスク ギャップ傘下「アスレタ」で販売

2020/12/04 06:25 更新


花沢さんとマスク(VPL提供)

 ニューヨークのファッションブランド「VPL」がつくったビンテージの帯を再利用したマスクが、ギャップ傘下の「アスレタ」のサイトで12月1日から1月31日まで販売されている。アスレタは、このマスクを売った利益の100%を、VPLの花沢菊香CEO(最高経営責任者)が代表を務める非営利団体の「ファッション・ガールズ・フォー・ヒューマニティー」(FGFH)に寄付する。

(ニューヨーク=杉本佳子通信員)

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 FGFHはコロナが広まって医療従事者用ガウンとマスクが不足するや否や、ウェブサイトでガウンとマスクの型紙をダウンロードできるようにし、172カ国から22万人以上がアクセスした。FGFHは同時に寄付金を集めて、ワシントンDCとニューヨークにある工場でガウン6000着以上を生産して医療従事者たちに寄付した。アスレタからの寄付金は、FGFHのこうした活動に充てられる。

 VPLは、同ブランドのウェブサイト及びラグジュアリーブランドの中古品を販売する会員制EC「リアルリアル」で、今までもビンテージのきものやゆかたの素材を使ったマスクを売ってきている。

帯マスク(VPL提供)

 花沢さんによると、アスレタとの協業はアスレタからアプローチがあった。「たぶんサステイナビリティー(持続可能)であることと、わが社がBコーポレーション(米国の非営利団体のBラボが、環境・社会に配慮した事業活動を行い信頼性や透明性など同団体が掲げる基準を満たした企業に与えている民間認証)だということらしい」と花沢さん。きものや帯をアップサイクルしたことと、『ヴォーグ』や『エル』などの雑誌で取り上げられたことが奏功したようだ。『エスクァイア』には絣のマスクが取り上げられ、一気に男性客が増えたという。

 きものと帯の生地はオークションで購入したが、日本からの送料の方がかかったと花沢さんは説明する。和紙を使ったギフトパッケージは、高知県土佐市の企業のモリサと共同でデザインした。マスクの縫製は、カリフォルニア州オレンジ郡にあるVPLの工場で行った。

マスク用パッケージ(VPL提供)

 きものや帯を使ったマスクは、大手テレビ局のリポーターや人気の医療ドラマ「グレイズ・アナトミー」でも着用された。白無垢(むく)を再利用したマスクが、著名人の結婚式で使われたこともあったという。

 花沢さんは、「アスレタとはマスク以外の商品でも協業の話をしています。FGFHに有益であるという社会貢献型のビジネスモデルも続けていきたいとのことです」と話している。

マスクとパッケージ(VPL提供)

(写真=VPL提供)

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