ギャップ 「ギャップ」220店、「バナナリパブリック」350店閉鎖

2020/10/27 06:30 更新


 【サンフランシスコ=立野啓子通信員】米最大のSPA(製造小売業)、ギャップ(サンフランシスコ)は投資家向け説明会の中で、23年度までに北米の店舗の30%に相当する「ギャップ」220店、「バナナリパブリック」130店を閉鎖すると発表した。今後は「オールドネイビー」と「アスレタ」に集中し、同社のけん引役にする。

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 閉鎖するのは主にショッピングモールにある店舗で、23年度までに、継続する店舗の80%は街の商店街、中心街、アウトレットセンターに立地する店となる。ソニア・シンガルCEO(最高経営責任者)は3年間で、営業利益率を19年度の6%から10%に、EC比率を18年度の23%、20年度の40%から、50%まで高めるとする。

 同社の売上高160億ドル(19年度)のブランド別構成比は、オールドネイビー49%、アスレタ6%、バナナリパブリック15%、「ギャップ」28%、その他2%。3年後には、オールドネイビーは店舗を30~40増やし、ECを含めて現在の売上高80億ドルから100億ドルにする。アスレタは2倍の20億ドルに伸ばし、この二つのブランドで売り上げの70%を占めることになる。

 不採算店舗を閉鎖する「ギャップ」は、欧州を含めFCによるパートナーシップ、ラッパーのカニエ・ウェスト「イージー」などとの協業、デジタルを駆使した商品開発、在庫調整、パーソナライズ、ロイヤルティープログラムなどを進める。カジュアル化が急速に進むなか苦戦するバナナリパブリックは、メンズのスーツとウィメンズのドレスを中止、カジュアルでスマートな、職場で着用できる服など、快適なアイテムを増やす。

 しかしアナリストの中には、かつてアメリカンカジュアルのアイコンであった「ギャップ」ブランドの抜本的改善は見えてこないという意見もある。



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