オンライン試着のバーチャサイズ(東京)の調査によると、国内ファッションECの20年3月売り上げは、19年に比べ約20%増加しており、購買は週末により集中する傾向が出ている。新型コロナウイルス感染拡大の下でもファッションECは堅調に推移している。
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大手ファッションEC事業社の300万件超の購買データ(1月3日~3月23日)を分析し、新型コロナウイルスの影響について調査した。2月28日~3月23日の売り上げは前年同期比19.3%増だった。過去5年間の国内ファッションECの年間成長率10~20%に比べ、高い水準となっている。注文数は16.6%増、平均注文額8.5%と、ともに増えており、1注文当たりの商品数はほとんで変化がないという。時系列で分析しても、新型コロナの影響が大きいとみられる期間でも売り上げは堅調だった。ただし、バーチャサイズは成長率が引き下げられた可能性も指摘している。
ファッションECでの購買が週末に集中する傾向は、より顕著になっており、2月26日~3月17日の土日合計売り上げは全体の37%を占めた。土曜日は前年比11.6%増と最も高い伸びで日曜日がこれに次ぐ4.7%増だった。週末の買い物がECにシフトしているようだ。消費者へのアプローチは週末がより効果がありそうだ。
購買のピーク時間もシフトしている。従来は午後9時以降に増加していたが、2月28日~3月23日には午後7時ころから増えている。この傾向は一定期間続くと予想され、時間帯に合わせた販売促進施策の調整が必要だ。
ファッション全体では、19年11~12%と推定されるオンラインのシェアは現在20%以上になっている。同社では、この変化は今後の日本でのファッションECのシェア拡大が大きく進むことを示す可能性を指摘している。