大学時代に、経営学の教授からこう聞いたことがある。「GDP(国内総生産)の大半を占めるのが個人消費。ここが元気にならないと景気は上向かないが、個人消費を促すのは企業の投資活動であり、第一義的には投資が活発であるかどうかが景気を見定める指標となる」と。
学生時代にはよく理解できなかったが、実社会で20年くらい働いていると、何となく実感として分かる気がする。つまり、企業の投資が増えれば、新たな仕事が増えて、働き手の給与が増える。投資が関連業種の新たな投資を生み、経済もお金も回っていく。ごく単純化して解釈すれば、そんなイメージだろう。
原材料高や物流コストのアップ、円安、地政学的なリスクの増加、人手不足。昨年後半から経営者を悩ます暗い話題がずっと続いている。しかし業界を取材していると、アフターコロナを見据えて新たな投資に動く企業が少しずつだが現れ始めている。景気が上向く明るい兆しと捉えたい。
(潤)