先日、あるスポーツウェアの担当部長を取材していると「昨今、サステイナブル(持続可能な)、SDGs(持続可能な開発目標)と叫ばれているが、他社はどう対応しているのか」と逆に質問された。このメーカーでもサステイナブルを意識して、再生素材やエコロジーな素材を選んでいるが、どうしてもコスト高になる。海外でもエコ素材の売り込みは多いが、「本当にエコか分からない」。
それでなくとも、円安、原料高や物流費の高騰、生産国の人件費上昇もあり、今春夏物から一部値上げを進めており、「秋冬物も、さらに値上げせざるを得ない」という。ロシアのウクライナ侵攻は円安の進行と、原料価格を余計上昇させている。
食品でも値上げが広がるなか、「食品は食べないわけにはいかないが、衣料品はまた買い控えが起きるのでは」との懸念も広がる。
Z世代(90年代半ばから10年代はじめまでに生まれた世代)は環境や社会問題への意識が高いと言われる。
長年、衣料品はデフレにより1900円、2900円、3900円と大雑把に価格設定されてきたが、大きな転機にきているのかもしれない。
(茂)