少し遅い話題となるが、今年のプロ野球日本シリーズはソフトバンクホークスの優勝となった。MVPはシリーズ新記録の6連続盗塁を阻止したホークスの甲斐拓也捕手。野手が守備力だけを評価されての選出は異例だ。
試合前は猛打のソフトバンク、機動力と守りの広島というイメージが強かった。だが今年の公式戦の広島の守備成績を見ると併殺こそ多いものの、失策数は最も少ない中日の52に対し83と約6割多い。内野に名選手がいるゆえに、守備にたけたチームというイメージがついているのだ。
イメージと現実が違えば、そのイメージは「思い込み」に過ぎない。人事において思い込みに左右される組織は最大の力を発揮できず、機会を逸することも多くなるのは容易に想像できる。こうした場合は思い込みではなく「決めつけ」か。
ソフトバンク、広島ともに戦力を他球団から補強するよりも、自球団内で育成することに力を入れているのが特徴だ。各自の可能性を引き出すことで、主力に故障者が出ても競い勝てる戦力を保っている。意外な人が大活躍する機会も多く、全体の底上げにつながっている。
(樹)